広小路 (秋田市)

秋田市のシンボルロード：広小路

秋田県秋田市に位置する広小路は、秋田駅西口から西へ約0.8km、旭川岸まで続く道路です。日本の道100選にも選定されており、歴史と自然、そして商業が融合した秋田市を代表する場所と言えるでしょう。

歴史と変遷

広小路の歴史は古く、17世紀初頭、佐竹義宣が久保田城を築城した際、城下町の町割りに既に存在していました。当初は久保田城の追手門堀に面した通りとして、藩主一門や家老級の屋敷が立ち並ぶ格式高い場所でした。明治維新後、武家屋敷が解体されると、官庁や兵舎が建設され、近代的な都市へと変貌を遂げます。

1889年の秋田馬車鉄道開業、1931年の秋田市電市内線開通により、広小路は交通の要衝として賑わいを見せました。戦後、市電の市内線と市外線が接続され、土崎港から秋田駅までを結ぶ重要な路線となりました。しかし、高度経済成長期におけるモータリゼーションの進展、郊外型スーパーの進出などの影響を受け、1966年に秋田市電は廃止されました。

昭和30年代には県庁や市役所などの官公庁が移転し、跡地には大型店などが整備されたことで、広小路は一時、大変賑やかな商店街となりました。しかし、その後は自家用車の普及や郊外型商業施設の進出などにより、歩行者数は減少。大型店の閉店や移転が相次ぎ、シャッター通り化する状況も見られました。

1998年の秋田赤十字病院の移転も、周辺の通行量減少に影響を与えました。病院跡地には2012年に「エリアなかいち」が建設され、新たな賑わいを創出する取り組みが行われています。

現在の広小路

現在、広小路商店街は秋田駅から西武秋田店、アトリオン、かつて県内最大の百貨店だった木内などの商店によって構成されています。千秋公園のお堀に面しており、桜やツツジ、スイレンなど四季折々の花々が咲き誇り、美しい景観を創り出しています。歩道には無散水消雪施設が設置され、冬期でも安全に歩行できるよう配慮されています。これらの特徴から、広小路は「日本の道100選」に選定されました。

周辺環境

広小路沿道南側は、デパートや専門店が立ち並ぶ商業地です。一部にはアーケードも残されています。北側には、久保田城跡の千秋公園が広がり、城壁や門跡などが当時の面影を伝えています。公園内には美術館や劇場、図書館などの文化施設も充実しており、歴史と文化に触れることができる空間となっています。

まとめ

広小路は、歴史と自然、そして商業が調和した秋田市の象徴的な道路です。かつては市電が走り、賑やかな商店街として栄えた歴史を持ちながら、現代においても、安全で快適な歩行者空間と美しい景観を提供する、秋田市民にとってかけがえのない場所となっています。 周辺の施設と相まって、秋田市の発展を象徴する重要な拠点として、今後もその役割を果たしていくことでしょう。

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