広島大学附属東雲小学校・中学校

広島大学附属東雲小中学校：100年以上の歴史と教育の歩み

広島大学附属東雲小中学校は、広島市南区東雲に位置する国立学校です。1875年、広島県公立師範学校附属小学校として創立され、以来100年以上にわたり、教育の拠点として発展を続けてきました。本校は広島大学教育学部と密接に連携し、教育実習の場としても重要な役割を担っています。

歴史

明治8年の創立以来、幾度かの名称変更や移転を経て、現在の広島大学附属東雲小中学校となりました。当初は広島市白島町にありましたが、1941年には現在の東雲地区に移転。第二次世界大戦中の広島への原子爆弾投下という大きな試練を乗り越え、復興の道を歩んできました。戦後、学制改革に伴い小学校と中学校が統合され、1949年には広島大学附属学校となりました。

その歴史の中で、制服の制定、学芸会や遠足といった行事の開始、保護者会（現PTA）の設立など、時代の変化を反映した様々な出来事が記録されています。1975年には創立100周年を迎え、記念式典や校歌の制定が行われました。その後も、新校舎の建設、姉妹校との交流、教育後援会の設立など、学校の発展に繋がる出来事が数多くありました。近年では、2005年に創立130周年、2007年には中学校創立60周年を迎えました。

教育

本校の教育は、「東雲五心」と呼ばれる五つの精神（素直な心、感謝の心、反省の心、謙虚な心、奉仕の心）を基盤としています。児童・生徒一人ひとりがこれらの精神を体得し、社会に貢献できる人材へと育つことを目指しています。小学校では、年齢に応じた様々な学習活動、中学校では生徒会活動の充実など、主体性を育む教育に力を入れています。

小学校では、学年ごとに特色のある学習活動が展開されています。低学年では自然体験を通して五感を育み、高学年では社会科見学や修学旅行を通して視野を広げます。また、伝統ある学校文集「ひばり」「のぎく」やPTA機関紙「しののめ」は、生徒の学びの成果と学校生活の記録として現在も発行され続けています。

中学校では、「東雲憲章」に基づいた自主的な行動を重視し、科学的で創造的な思考力と豊かな情操の育成を目指しています。生徒会活動は非常に盛んで、生徒主導で様々な企画や活動が実施されています。また、アメリカ合衆国やインドネシアの学校と姉妹校提携を結び、国際交流にも積極的に取り組んでいます。

文化活動

音楽活動も盛んで、合唱コンクールや学校行事での合唱は伝統となっています。また、運動会ではかつて「東雲音頭」というオリジナルの歌が歌われていたようです。

著名な出身者

本校からは、様々な分野で活躍する著名な卒業生を輩出しています。ファッションデザイナーの三宅一生氏、アナウンサーの世良洋子氏や頼近美津子氏、法学者の長谷部恭男氏など、多くの卒業生が社会に貢献しています。

将来計画

広島大学は、東雲小中学校と三原幼稚園・小中学校を東広島キャンパスに移転・統合し、「広島大学附属東広島学園」を設立する計画を進めています。これは、広島大学の教育研究体制の一層の強化を目指したものです。

まとめ

広島大学附属東雲小中学校は、長い歴史と伝統、そして革新的な教育理念を持つ学校です。「東雲五心」を基盤とした教育、活発な生徒会活動、国際交流、そして広島大学との連携など、多くの魅力を兼ね備えています。将来計画も含め、今後の発展が期待される学校です。

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