広島市立段原中学校

広島市立段原中学校は、広島市南区霞に位置する公立中学校です。1932年に「広島市立第一高等小学校」として創立され、当初は高等科のみを設置する旧制小学校でしたが、その後国民学校、そして戦後の学制改革を経て新制中学校となり、現在の校名に改められました。

創立当初の学区は広大で、現在の段原学区に加え、二葉学区、大州学区、仁保学区を包含していました。しかし、これらの学区に中学校が新設されたことにより、段原中学校の学区は縮小しました。

かつての校地は段原山崎町にあり、1945年の原爆投下で校舎は被爆しましたが、幸いにも倒壊を免れました。その後、長らく校舎として使用され、被爆建物に指定されていました。しかし、市の段原東部土地区画整理事業に伴い、2011年4月に霞の広島県警察学校・広島県警察機動隊跡地へ移転しました。旧校地は公園として整備され、被爆建物であった旧校舎の一部が保存される予定です。

沿革

1932年4月1日 - 「広島市立第一高等小学校」として発足。
1941年4月 - 「広島市立第一国民学校」に改名。
1945年8月6日 - 原爆により被災。
1947年4月1日 - 学制改革により「広島市立第一中学校」に改名。
1947年4月15日 - 開校。
1949年4月30日 - 「広島市立段原中学校」に改名。
1951年4月1日 - 広島市立二葉中学校創立に伴い二葉学区が分離。
1958年4月1日 - 広島市立大州中学校創設に伴い大州学区が分離。
1976年4月1日 - 広島市立仁保中学校創設に伴い仁保学区が分離。
1990年7月31日 - 原爆慰霊碑除幕式、第一回原爆死没者慰霊祭を実施。
1994年4月6日 - 広島大学病院内病弱学級開設。
1998年4月6日 - 障害児学級開設。
2004年4月1日 - 障害児学級（あやめ学級）開設。
2005年4月1日 - 情緒障害児学級開設。
2011年4月1日 - 校舎移転（広島県警察学校跡地）。

学区

現在の学区は、荒神町学区、段原学区、比治山学区です。

著名な出身者

多くの著名な卒業生を輩出しており、以下のような方がいます。

張本勲 - プロ野球解説者
福富邦夫 - 元プロ野球選手、指導者
高津臣吾 - 元プロ野球選手、指導者
下田崇 - 元プロサッカー選手、指導者
大下佑馬 - プロ野球選手
正隨優弥 - プロ野球選手

旧校舎

段原山崎町4番42号にあった旧校舎は、1932年に創設されました。コの字型に建てられた校舎は、それぞれ北校舎、東校舎、西校舎と呼ばれていました。特に東校舎は、市立学校としては2例目となる鉄筋コンクリート構造の校舎でした。太平洋戦争中には、東校舎に工作機械が置かれ、軍需工場の役割も担っていました。

1945年8月6日の原爆投下により、爆心地から約2.64kmに位置していた旧校舎は被災しました。北校舎は全壊しましたが、他の校舎や講堂は倒壊を免れました。その後、東校舎と講堂は臨時救護所や遺体収容所として使用され、校庭では火葬も行われました。同年10月に救護所が解散した後、学校は再開されました。

1956年には東校舎の2階が増築され、1993年には東校舎が市の「被爆建物リスト」に登録されました。2009年時点では、1階が技術実習室、2階が更衣室として使用されていました。

2011年の校舎移転に伴い、旧校舎跡地は公園として整備されることになり、東校舎の外壁の一部が保存され、校名が記された門柱と共に公園に設置されることになりました。公園には慰霊碑、広島市が設置した原爆被災説明板、そして、かつて当地にあった国鉄宇品線の記念碑も設置されています。なお、東校舎の解体に伴い、市の被爆建物リストからは外れることになりました。

アクセス

広電バス市内4号線（県庁～仁保南～仁保車庫線）を利用し、東雲本町3丁目バス停で下車後、徒歩約5分です。

関連情報

広島県中学校一覧
[段原中学校HPへのリンクをここに挿入]'>段原中学校HP
[広島市原爆被災説明板へのリンクをここに挿入]'>原爆被災説明板 - 広島市
記憶をたずねて 被爆建造物から - 2009年5月24日付読売新聞
ヒロシマをさがそう - ウェイバックマシン（2011年2月21日アーカイブ分） - NHK広島
広島・段原中、被爆の記憶つなぐ 今春移転の校舎外壁保存へ - ウェイバックマシン（2016年3月5日アーカイブ分） - 2011年1月4日付中国新聞
ひろしま戦前の風景 - 中国放送(RCC)。戦前の映像がある。へのリンクをここに挿入])

もう一度検索