広島東照宮

広島東照宮について

広島東照宮（ひろしまとうしょうぐう）は、広島県広島市東区の二葉山山麓にある神社であり、徳川家康を祭神として祀っています。また、尾長東照宮とも呼ばれています。この神社は、1945年の原子爆弾投下という歴史的な出来事を経て、現在も残る被爆建物の一つで、広島市指定の文化財としても登録されています。

概要と歴史

1648年に創建され、その建立は当時の藩主である浅野光晟の強い意向によるものでした。二葉山の中腹にあり、広島城の北東にあたる鬼門の位置に建てられました。祭祀は藩主自らが行っており、神社にとって特別な地位を持つ場所でした。文化12年（1815年）まで続けられた「通り御祭礼」もその象徴といえます。この祭礼は家康の命日に行われ、盛大な賑わいを見せていました。

1945年、広島に原子爆弾が投下されました。南から約2.1キロの位置にあった東照宮は、拝殿や本殿が焼失したものの、唐門や翼廊などは奇跡的に残ることとなり、そのため現在も被爆建物としての意味を持っています。

沿革と復興

徳川家光が日光東照宮を建立し、を受けて、諸大名が東照宮の造営を試みる中、広島東照宮もその一つとなりました。1630年代の建設にあたる浅野光晟は、家康の三女、振姫の子であり、より熱心にこの神社の創建を進めました。その後、1880年には社領が廃止され、1881年には神霊が東京に移されましたが、広島市内の有志の懇願により戻されることとなります。

また、戦争中は境内が避難所として利用され、被爆翌日には多くの被爆者が避難してきたという歴史があります。1946年から境内が整理され、1965年には社殿が再建されるなど復興が進められました。

境内の構造と特徴

参道には両脇に17期の灯籠が設置されており、参道の石段は51段となっているのは、家康の命日である17からの発想です。境内には多くの文化財が存在し、特に唐門や翼廊は詳細な修理が行われ、現在に至ります。唐門は1696年に建立され、当初の美しさを保つための修復が行われています。

境内には様々な神社や供所もあり、特に金光稲荷社などは重要な場所です。また、二葉の里慰霊塔や被爆関連の碑もあり、歴史を語る重要な要素となっています。

通り御祭礼の歴史

通り御祭礼は、創建と同時期から続いている祭礼で、家康の死去から50年ごとの命日に行われてきました。200年続かなかったこの祭礼は、戦後の復興期においてすべて中止されていましたが、2015年に200年ぶりに復活し、多くの人々で賑わいました。

江戸時代には公儀の祭礼として重要な意味を持っており、実際に藩主の親族や多くの民衆が参列する祭りでもありました。現代の祭礼では、約550人の市民が参加し、周囲には多数の観衆が集まっています。こうした復活は、過去を振り返る良い機会ともなり、地域の文化が再興される場となっています。

交通アクセス

広島東照宮へのアクセスは、JR広島駅から徒歩12分です。美しい神社を訪れ、歴史を感じる貴重な体験ができるこの場所は、広島を訪れる際にはぜひ立ち寄りたいスポットです。

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