東照宮

東照宮：徳川家康を祀る神社

東照宮は、江戸幕府初代将軍徳川家康を神として祀る神社です。家康の死後、遺言に基づき、久能山に東照社（現在の久能山東照宮）が創建されました。その後、日光にも東照社が造営され、家康の霊廟として整備が進められました。朝廷から「東照大権現」の神号と正一位の位階が贈られ、家康は神格化されました。

沿革：久能山から日光へ、そして全国へ

家康の死後、遺言を受け継いだ幕府は久能山に東照社を建立しました。翌年には朝廷から「東照大権現」の神号と正一位の位階が贈られ、家康は神として祀られることになります。その後、日光にも東照社が造営され、家康の遺骸は日光へ遷されました。日光東照宮は、現在もその霊廟として存在しています。

2代将軍徳川秀忠は江戸城紅葉山にも東照社を造営しました。正保2年（1645年）には「東照宮」の宮号が宣下され、東照宮は各地に建てられるようになりました。幕府の奨励や、家康の子孫や大名たちの信仰により、全国各地に500社以上の東照宮が建立されました。しかし、明治維新後の神仏分離や廃仏毀釈により、多くの東照宮が廃絶または合祀され、現在では約130社が現存しています。

日光東照宮、久能山東照宮、そして規模や華麗さでは劣るものの、家康の遺髪や遺品を祀る金地院東照宮などが「日本三大東照宮」として知られています。しかし、「三大東照宮」を称する東照宮は他にも多く存在し、それぞれの東照宮が独自の意義や歴史を持っています。

宣命と宮号宣下：神格化への道

家康の死後、朝廷は東照大権現の神号を宣下し、正一位の位階を贈りました。この宣命には、家康の生涯と功績が記されており、神格化された家康への敬意と崇拝が表れています。また、正保2年（1645年）には宮号宣下が行われ、東照社は正式に東照宮と称されるようになりました。この宮号宣下は、家康の霊を祀る神社としての格をさらに高めるものとなりました。

全国各地の東照宮：地域ごとの特色

全国各地には、多くの東照宮が現存しています。それぞれの東照宮は、地域の歴史や文化と深く結びついており、独自の特色を持っています。例えば、北海道の東照宮は、五稜郭の鬼門除けとして建立された歴史を持ちます。また、仙台東照宮は、伊達家が徳川家康への忠誠を示すために建立されたものです。このように、それぞれの東照宮には、その土地の歴史や信仰が反映されています。本記事では、北海道から九州までの各地の東照宮について、その歴史や現状を簡潔にまとめています。これらの東照宮は、日本の歴史と文化を理解する上で貴重な存在です。

東照宮の文化的意義

東照宮は、単なる神社ではなく、日本の歴史や文化を象徴する存在です。豪華絢爛な社殿建築や、精緻な彫刻などは、江戸時代の高い技術力と芸術性を示す貴重な文化財です。日光東照宮は世界文化遺産に登録されており、その文化的価値は国際的に認められています。また、各地の東照宮は、地域の住民にとって信仰の対象であると同時に、歴史と文化を伝える重要な拠点となっています。

東照宮は、江戸幕府の威光と、徳川家康への崇敬の念を後世に伝える重要な存在であり、その建築や彫刻は、日本美術史における重要な位置を占めています。多くの東照宮は、地域の文化と歴史に深く関わっており、その存在は、地域のアイデンティティを形成する上で重要な役割を果たしています。

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