広島県立尾道商業高等学校

広島県立尾道商業高等学校

広島県尾道市古浜町に位置する広島県立尾道商業高等学校は、地域に根ざした伝統ある県立商業高校です。地元では「尾商」（おのしょう）の愛称で親しまれています。

概要

尾道商業高校は、商業教育を専門とする高校として、地域社会に貢献できる人材育成を目指しています。情報化社会に対応した専門知識やスキルを習得できる情報ビジネス科を設置しており、生徒たちは実践的な学びを通して、社会で活躍するための基礎を築いています。

歴史

その歴史は古く、1887年（明治20年）に創立された「私立尾道商法講習所」を前身としています。その後、公立尾道商業学校を経て、1948年（昭和23年）の学制改革により新制の商業高等学校として再出発しました。現在の校名である「広島県立尾道商業高等学校」となったのは1968年（昭和43年）のことです。

教育課程

全日制課程に情報ビジネス科を設置。

校訓

「正義・努力・健康」を校訓として、生徒たちの健全な成長を支えています。

部活動

部活動も盛んで、特に野球部はかつて輝かしい成績を残しています。春の選抜高校野球大会では、1964年（第36回）と1968年（第40回）に準優勝を果たしましたが、1986年（第58回）を最後に出場からは遠ざかっています。夏の甲子園には1958年（第40回）に一度だけ出場しています。

文化部も活発で、簿記部、情報処理部、ワープロ部などが全国大会に出場し、優秀な成績を収めています。

沿革

1887年（明治20年）：「私立尾道商法講習所」として開所
1888年（明治21年）：「公立尾道商業学校」が開校
1895年（明治28年）：「尾道簡易商業学校」に改称
1898年（明治31年）：「広島県商業学校」となる
1901年（明治34年）：「広島県立尾道商業学校」と改称
1944年（昭和19年）：広島県立尾道工業学校を併設
1948年（昭和23年）：学制改革により「広島県尾道商業高等学校」発足
1949年（昭和24年）：総合制高校「広島県尾道西高等学校」となる
1953年（昭和28年）：商業課程が分離し、「広島県尾道商業高等学校」として独立
1968年（昭和43年）：「広島県立尾道商業高等学校」（現校名）に改称
1993年（平成5年）：ビジネス会計科・情報管理科を新設
2007年（平成19年）：広島県立尾道工業高等学校の廃止に伴い、卒業証明書発行等の事務を継承

尾道西高校時代のプロ野球開催

1950年代には、広島東洋カープ主催のプロ野球公式戦が校庭で3度開催されたという珍しい記録があります。当時、広島県内には公式戦を開催できる基準を満たす球場が少なかったため、学校のグラウンドが使用されることがありました。

特に有名なのは、1953年（昭和28年）の対大洋松竹ロビンス戦で起きた「縄ホームラン」事件です。広島の白石勝巳選手が放った本塁打性の打球が、観客席とグラウンドを仕切るロープを押し出した観客によってアシストされたのではないかという疑惑が持ち上がり、大きな議論を呼びました。

この事件を機に、セ・リーグは規格外の球場での試合開催を禁止する警告を発し、尾道西高校でのプロ野球開催は幕を閉じました。

著名な出身者

尾道商業高校、および前身の学校の出身者の中には、各界で活躍している著名人が数多くいます。

野球：大田垣耕造、山内泰幸、小川邦和など多数
スポーツ：梅本勝（ラグビー指導者）、細谷四方洋（元レーシングドライバー）
政財界：小田原大造（久保田鉄工社長）、佐藤守良（元農林水産大臣）など
学界：高垣寅次郎（経済学者）、片山金章（法学者）、坂本彌三郎（経済学者）
文芸：鷹羽狩行（俳人）、森岡久元（作家）

アクセス

おのみちバス「尾商入口」停留所下車
尾道駅前バス停2番乗り場から乗車

周辺施設

尾道税務署
広島法務局尾道支局

関連項目

広島県高等学校一覧
日本の商業に関する学科設置高等学校一覧
実業学校

外部リンク

* 公式ウェブサイト

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