広島県道・山口県道119号佐伯錦線

はじめに

広島県道・山口県道119号佐伯錦線（ひろしまけんどう・やまぐちけんどう119ごう さいきにしきせん）は、広島県廿日市市から山口県岩国市にかけて、中国地方の山間部を東西に結ぶ一般県道です。この路線は、広島県廿日市市飯山を起点とし、山口県岩国市錦町大原を終点とする、地域間の連携を担う重要な道路の一つと言えます。

路線概要

本路線の正式な起点は、広島県廿日市市飯山の国道186号が交差する地点に置かれています。一方、終点は山口県岩国市錦町大原で、ここでは山口県道59号岩国錦線に接続します。

通過する自治体は以下の通りです。

• - 広島県廿日市市
• - 山口県岩国市

両県をまたぎ、概ね中国山地の西部に位置する山間地域を経由するルートとなっています。

歴史的背景

現在の広島県道・山口県道119号佐伯錦線は、比較的新しい路線として位置づけられています。路線の認定は、山口県側が昭和58年（1983年）3月18日に山口県告示第270号によって、広島県側が同年4月1日に広島県告示第409号によって、それぞれ別々に行われました。

この路線の歴史を辿ると、その前身は広島県、山口県、そして島根県の三県にまたがる県道、かつての広島県道・山口県道・島根県道119号佐伯六日市線にさかのぼります。昭和57年（1982年）に実施された主要地方道の再編により、大きな変化がもたらされました。この再編に伴い、旧佐伯六日市線のルートの一部が、新たに主要地方道として指定された山口県道59号岩国錦線や、現在は島根県道・山口県道16号六日市錦線となっている島根県道16号・山口県道74号六日市錦線などに移行しました。その結果、旧佐伯六日市線のうち、これらの新たな主要地方道へ移行しなかった区間が、現在の広島県道・山口県道119号佐伯錦線として整備されることになったのです。

路線の起終点にあたる地名の表記も、その後の自治体合併によって変更されています。平成15年（2003年）3月1日には、広島県佐伯郡佐伯町および吉和村が廿日市市に編入されたことに伴い、起点の地名表記が「佐伯郡佐伯町中道」から「廿日市市中道」へと変わりました。さらに、平成18年（2006年）3月20日には、山口県岩国市が玖珂郡の町村（和木町を除く）と対等合併して改めて岩国市が設置されたため、終点の地名表記が「玖珂郡錦町大原」から「岩国市錦町大原」へと変更されています。

地理

本路線が通過するのは、広島県廿日市市と山口県岩国市の境界付近に広がる山間地域です。沿線には、標高1000メートルを超える羅漢山がそびえ立ち、豊かな自然が息づいています。この地域は中国自然歩道の一部としても整備されており、ハイキングなどを楽しむ人々が訪れます。

羅漢山を中心とした沿線地域には、自然を満喫できる様々な施設が点在しています。羅漢山青少年旅行村や羅漢山オートキャンプ場といったアウトドアレジャーの拠点に加え、冬季には羅漢山ハイランドスキー場が開設されるなど、四季を通じて多くの人々が訪れる地域となっています。

本路線は、広島県と山口県の県境を越える地点で、生山峠（いくりやまとうげ）を通過します。この峠は、廿日市市と岩国市を結ぶルート上の重要なポイントであり、両県を結ぶ山越えの道としての役割を果たしています。

交差する主な道路としては、起点の国道186号、そして終点の山口県道59号岩国錦線が挙げられます。これらの道路を介して、周辺地域や主要な幹線道路網へのアクセスが確保されています。

まとめ

広島県道・山口県道119号佐伯錦線は、歴史的な経緯を経て誕生し、広島・山口両県の山間部を結ぶ地域間連絡路としての役割を担っています。沿線には羅漢山を中心とした豊かな自然やレジャー施設があり、地域の生活や観光を支える重要な路線と言えます。

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