広島県道186号新市三次線

広島県道186号新市三次線

広島県道186号新市三次線は、広島県庄原市高野町新市を起点とし、同県三次市西河内町を終点とする一般県道です。県北部の山間部を縫うように走り、庄原市と三次市を結ぶ重要な地方道のひとつと言えます。その総延長は約27.1キロメートルに及びます。

路線概要

本路線の起点は、庄原市高野町新市に位置しています。ここでは、国道432号に接続するほか、主要地方道である広島県道39号三次高野線および一般県道である広島県道467号庄原新市線の終点となっています。複数の主要道路が集まる交通の要衝から始まります。

一方、終点は三次市西河内町に設けられています。ここでは、再び広島県道39号三次高野線と交差し、その役目を終えます。起点と終点で同じ主要地方道と接続する、特徴的な経路をとる路線です。

路線状況

本路線の走行環境は、区間によって大きく異なります。特に、主要地方道である広島県道62号庄原作木線との重複区間より北側にあたる庄原市高野町新市から庄原市口和町向泉にかけての区間は、道幅が狭く、急カーブの多い山道が連続します。山深い地形を通過するため、運転には十分な注意が必要です。このためか、周辺の主要な県道に設置されている案内標識では、この先の県道186号の方面を示す表示が意図的に省略されている箇所が見られるほどです。

また、庄原市高野町奥門田から金尾峠を越え、庄原市口和町宮内に至る約4キロメートルの区間は、標高が高く山深い地形のため積雪量が多く、例年冬季閉鎖の対象となります。具体的には、毎年12月15日から翌年の3月15日まで、およそ3ヶ月間にわたり車両の通行が不可能となります。この期間中に通行を予定している場合は、迂回路の利用が必須となります。

過去には、この冬季閉鎖区間が春の訪れとともに解除される前に実施される除雪作業の様子が、中国放送など地元のテレビ局の夕方ニュースで毎年恒例のように報じられ、地域の風物詩として注目されることもありました。これは、この区間が地元住民にとって重要な生活道路であり、その開通が待望されていたことを示唆しています。

本路線は、庄原市口和町向泉から庄原市口和町永田の永田交差点までの区間において、主要地方道である広島県道62号庄原作木線と重複しています。この重複区間では、両方の県道番号が同時に表示された標識を見ることができます。

地理

広島県道186号新市三次線は、以下の2つの市を通過します。

庄原市
三次市

沿線には、地域住民の生活を支える施設として口南郵便局などが見られます。また、路線の途中には金尾峠が位置しており、庄原市内の山間部を越えるルートとなっています。この峠付近が冬季閉鎖区間の一部に含まれます。

このように、広島県道186号新市三次線は、山間部特有の厳しい自然環境の影響を受けつつも、庄原市と三次市を結ぶ地域交通網の一部を担っています。特に冬季の通行には事前の情報確認と注意が必要な路線です。

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