広島県道189号福山上御領線

広島県道189号福山上御領線

広島県道189号福山上御領線は、広島県福山市内に位置する一般県道です。福山市の蔵王町から同市神辺町上御領に至る、全長およそ3キロメートルの路線となっています。

概要と特徴

この県道は、信号交差点が少ないことが大きな特徴の一つとして挙げられます。そのため、福山市の蔵王地域方面と岡山県井原市方面を行き来する際の抜け道として、地域住民に広く利用されています。しかし、この路線には、起点である福山市蔵王町の福山市民病院入口交差点から、福山市神辺町下竹田の誠和団地入口交差点までの区間が、現在も県道の区域として正式に決定されていないという状況があります。全区間の区域決定が実現していない背景には、いくつかの要因が関係しています。

まず、福山市蔵王町と福山市春日町宇山の間に存在する区間には、比較的大きな高低差を伴う急勾配が見られます。また、この道路の一部は、かつて農道として建設された経緯があり、現在の県道に求められる道路規格を満たしていない箇所が存在します。これらの課題があるため、路線の全線にわたる県道としての整備が完了していないのが現状です。将来的に、これらの問題を解消し、より高い規格を持った道路として再整備される計画も検討されているようですが、現時点では具体的な工事や着手に関する話は出ていません。

歴史

広島県道189号福山上御領線は、1996年（平成8年）4月25日に広島県告示第469号によって、県道として正式に認定されました。路線の歴史において大きな転換点となったのは、2006年（平成18年）3月1日です。この日、当時の深安郡神辺町が福山市に編入されたことにより、本路線の全区間が福山市の市域内に収まることになりました。これに伴い、終点の所在地の表記も、深安郡神辺町上御領から福山市神辺町上御領へと変更されています。

路線状況

路線の途中には、他の県道と経路を共有する重複区間が存在します。福山市神辺町大字八尋の付近では、広島県道・岡山県道102号下御領井原線と一時的に重複して通っています。

地理

本路線が通過する自治体は、広島県福山市のみです。経路の沿線では、いくつかの主要な道路や鉄道と交差しています。起点は福山市民病院入口交差点であり、ここでは国道182号と接続しています。終点の上御領交差点では、国道313号に接続します。また、前述の通り、福山市神辺町大字八尋では広島県道・岡山県道102号下御領井原線との重複区間があります。鉄道に関しては、井原鉄道井原線と交差する地点が存在します。

沿線には、交通の要衝となる施設のほか、地域住民の生活に関連する施設が点在しています。山陽自動車道の福山東インターチェンジ（E2）が近くに位置しており、高速道路へのアクセスも比較的容易です。また、地域の医療を担う福山市民病院、ゴルフを楽しむことができるマーメイド福山ゴルフクラブ、運転免許の取得に関わる山陽自動車学校などがあります。教育施設としては、福山市立竹尋小学校や福山市立神辺東中学校といった学校が沿線やその周辺に見られます。このように、広島県道189号福山上御領線は、地域住民の日常的な移動を支えるとともに、様々な施設へのアクセスルートとしても機能しています。

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