広島県道23号庄原東城線

広島県道23号庄原東城線（ひろしまけんどう23ごうしょうばらとうじょうせん）は、日本の道路法に基づき広島県が認定・管理する主要地方道である。本路線は、その全区間が広島県庄原市の市域内に収まっており、市内の主要な地域を結ぶ幹線道路として機能している。

概要

この県道は、広島県庄原市春田町に位置する地点を起点とし、庄原市東城町川西に至る地点を終点として設定されている。両地点間を連絡する役割を担う。

路線データ

路線の起点は広島県庄原市春田町であり、具体的には国道432号との交点に位置する。一方、終点は広島県庄原市東城町川西であり、国道314号との交点に設定されている。路線の総延長は30.247キロメートルである。本路線が通過する自治体は庄原市のみである。

歴史

広島県道庄原東城線の歴史は、直接的には1964年（昭和39年）12月28日の建設省（現在の国土交通省）による主要地方道指定に始まるが、その前身となる路線が存在する。元々は1954年（昭和29年）1月20日に、建設省が岡山県阿哲郡新見町（現：新見市）と広島県比婆郡庄原町（現：庄原市）を結ぶ路線を主要地方道新見庄原線として指定したことに端を発する。同年9月17日には広島県がこれを主要県道2号新見庄原線として認定し、さらに翌1955年（昭和30年）2月1日には岡山県も主要県道25号新見庄原線として認定し、両県にまたがる幹線として位置づけられていた。

しかし、1962年（昭和37年）5月1日、主要地方道新見庄原線のうち、岡山県側の新見市から広島県側の東城町に至る区間が、二級国道182号新見福山線として新たに指定された。この国道指定は翌1963年（昭和38年）4月1日に施行される。これに伴い、建設省は1964年（昭和39年）12月28日、旧主要県道新見東城線（これは新見庄原線の一部を含むと考えられる）のうち、既に二級国道182号となった区間を除いた部分を、改めて主要地方道庄原東城線として指定する告示を行った。

この建設省の指定を受けて、広島県は1965年（昭和40年）3月31日、従前の主要県道2号新見庄原線を廃止するとともに、新たに主要県道2号庄原東城線を認定した。これと同時に岡山県も主要県道新見庄原線を廃止したため、本路線は広島県のみを通過する県道として確立した。また、同日付で二級国道182号は一般国道182号へと改称されている。

その後、1972年（昭和47年）11月1日には、広島県が実施した県道整理番号の見直しに伴い、本路線の整理番号は従前の「2」から現在の「23」へと変更された。1993年（平成5年）5月11日には、主要県道庄原東城線として建設省により主要地方道に再度指定され、その重要性が改めて確認された形である。

比較的新しい動きとして、2024年（令和6年）5月30日付の広島県告示第572号により、庄原市東城町川西から庄原市東城町東城にある東城交差点までの区間（延長420.40メートル）が県道の指定から解除されたことが特筆される。これにより、本路線の終点が東城交差点から庄原市東城町川西へと変更された。

路線状況

本路線には、他の県道と経路の一部を共有する区間、すなわち重複区間が存在する。具体的には、庄原市本村町地内において広島県道422号中領家庄原線と、また庄原市東城町帝釈未渡地内において広島県道26号新市七曲西城線と、それぞれ重複している区間がある。

地理

路線が通過する地域は、全て広島県庄原市内に限定される。沿線には、国の特別名勝にも指定されている景勝地、帝釈峡が位置しており、この地域へのアクセス路としても利用されることがある。

文化

広島県道23号庄原東城線の一部区間は、かつて地域の主要な交通路であった旧街道「東城往来」と並行している。「東城往来」とは、現在の庄原市東城町東城を中心として、四方へ放射状に伸びていた複数の街道の総称であり、本県道が沿う道筋もその一端を構成していた。街道が人々の往来に利用されていた時代には、本県道に沿う東側の地域から西へ向かう道筋は「芸州路」や「三次路」などと呼ばれ、一方、西側の地域から東へ向かう道筋は「備中路」や「新見路」などと呼称されていたことが知られており、当時の地域間の結びつきや交通の方向性を示唆している。

このように、広島県道23号庄原東城線は、庄原市内の交通網において重要な役割を果たすとともに、地域の歴史や文化、そして豊かな自然とも関わりの深い道路である。

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