庄原町

庄原町（しょうばらまち）

庄原町は、かつて広島県比婆郡に存在した町で、現在の庄原市の一部にあたります。ここでは、その地理的特徴から歴史、産業、交通、教育に至るまでを詳細に解説します。

地理

庄原町は、西城川の中流域に位置していました。

歴史

1889年（明治22年）4月1日：町村制の施行により、三上郡庄原村、川手村、宮内村、永末村が合併し、庄原村が発足しました。この際、旧村名を継承した庄原、川手、宮内、永末の4つの大字が編成されました。
1898年（明治31年）10月1日：郡の統合により比婆郡に所属することになりました。郡役所は大字庄原の西紅屋に設置され、1926年（大正15年）に廃止されるまで機能し、その庁舎は後に町役場として転用されました。
1926年（大正15年）10月：町制が施行され、庄原町となりました。

発展

1911年（明治44年）：電話が開通し、家畜市場が開設されました。
1914年（大正3年）：町内に電灯が普及し始めました。
1919年（大正8年）：蚕種製造所庄原支所が開設されました。その後、1922年（大正11年）には庄原蚕業試験場、1944年（昭和19年）には県立蚕業指導所、1946年（昭和21年）には蚕業試験場と変遷しました。

医療

1919年（大正8年）：西本病院が開業しましたが、経営難により閉鎖されました。その後、1925年（大正14年）に医療組合が設立され、西本病院の施設を継承して庄原病院が開業しました。1942年（昭和17年）には日本赤十字社に譲渡され、日赤庄原療院（現在の庄原赤十字病院）となりました。
1954年（昭和29年）3月31日：比婆郡高村、本田村、敷信村、山内東村、山内西村、山内北村と合併し、市制を施行して庄原市が新設され、庄原町は廃止されました。

地名の由来

庄原という地名は、中世に永江荘に含まれていたことに由来すると考えられています。市街地の南部一帯は原野であったと見られ、荘園との関係から庄原という地名になった可能性があります。

産業

庄原町では、農業、畜産、養蚕が主要な産業でした。

交通

鉄道：1924年（大正12年）に三神線（現在の芸備線）塩町～庄原間が開通し、備後庄原駅が開設されました。
県道：広島鳥取線、庄原三成線、庄原帝釈峡線、庄原福山線、庄原三良坂線が町内を通っていました。
乗合馬車：1915年（大正4年）には、庄原～三次間に乗合馬車が運行していました。

教育

1890年（明治23年）：柳原学校、川手学校が庄原尋常小学校に合併されました。
1947年（昭和22年）：庄原中学校が開校しました。

参考文献

角川日本地名大辞典 34 広島県
『市町村名変遷辞典』東京堂出版、1990年。

関連項目

広島県の廃止市町村一覧

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