広島県道307号八幡雲耕線

広島県道307号八幡雲耕線について

広島県山県郡北広島町内を東西に走る一般県道が、広島県道307号八幡雲耕線（ひろしまけんどう307ごう やわたうずのうせん）です。この路線は、北広島町の西部に位置する西八幡原を起点とし、町の中央部やや南寄りの荒神原にある亀山交差点を終点とする、全長9.6キロメートルの道路です。

路線概要と接続道路

本路線の起点は山県郡北広島町西八幡原で、ここでは島根県と広島県を結ぶ島根県道・広島県道115号波佐芸北線と交差します。この交差点は、島根県側へのアクセスルートの一部を形成しています。終点は、北広島町荒神原の亀山交差点です。この終点では、地域における主要幹線道路の一つである国道186号に接続すると同時に、島根県道・広島県道114号今福芸北線の終点ともなっており、複数の重要な道路が集まる交通結節点としての役割を果たしています。路線の総延長は9.6キロメートルです。

珍しい路線番号の一致

広島県道307号八幡雲耕線には、日本の都道府県道において比較的珍しい特徴があります。その起点で接続する島根県道・広島県道115号波佐芸北線をたどり、島根県へと進むと、島根県浜田市金城町波佐に至る地域に、島根県道307号波佐匹見線が存在するのです。このように、都府県境を挟んで物理的に近い位置にありながら、全く同じ路線番号（この場合は307号）を持つ県道が両県に存在するケースは極めて稀であり、全国的に見てもその例は多くありません。これは、過去の県道認定や番号付与の過程で生じたユニークな事例と言えます。

歴史的背景

この路線の起源は、1960年（昭和35年）10月10日に広島県によって県道として正式に認定された時点に遡ります。当時の路線名は広島県道134号八幡雲耕線であり、現在の307号とは異なる番号が付与されていました。その後、1972年（昭和47年）11月1日に実施された広島県における県道番号の大規模な見直しに伴い、現在の路線番号である307号へと変更されました。また、平成の大合併による自治体再編も路線の記録に影響を与えています。2005年（平成17年）2月1日、山県郡内の大朝町、芸北町、千代田町、豊平町が合併して新たな自治体として北広島町が誕生したことにより、路線の起終点を示す地名表記が新しい町名に合わせて変更されています。

路線状況と沿線施設

広島県道307号は、その全区間が山県郡北広島町内に完結しています。路線の途中には、比較的重要な道路施設として八幡洞門と呼ばれるトンネルが存在します。このトンネルは1963年（昭和38年）に建設が完了したもので、延長は369メートルです。路線の沿線には、地域住民にとって身近な行政サービス窓口である北広島町役場八幡出張所があります。また、冬のレジャー拠点として多くの利用客を集める八幡高原191スキー場や、自然の中でキャンプやアウトドア活動を楽しめる二川キャンプ場など、観光やアクティビティに関連する施設も点在しており、これらの施設へのアクセス道路としても重要な役割を担っています。路線の周辺地域は豊かな自然に囲まれており、特に沿線のレジャー施設周辺では四季折々の景観が楽しめます。

結び

広島県道307号八幡雲耕線は、地域の生活道路としての機能に加え、沿線の観光資源へのアクセスを支える役割も果たしています。歴史の中で路線番号や地名表記が変化し、特に県境を跨いだ同一番号の県道との関係性は、この路線特有の興味深い点です。広島県の道路ネットワークの一部として、地域の発展に貢献しています。

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