広島県道32号安芸津下三永線

広島県道32号 安芸津下三永線

広島県道32号 安芸津下三永線は、広島県東広島市内を東西に横断する主要地方道です。路線の起点となるのは、東広島市の中でも唯一瀬戸内海に面した安芸津町三津の国道185号との交差点（榊山交差点）。ここから内陸部へと進み、東広島市の中心部である西条町下三永にある山陽新幹線東広島駅近く、国道2号との交差点（東広島駅入口交差点）を終点とする、総延長およそ14.8キロメートルの路線です。

市内の大動脈として

この県道は、沿岸部の安芸津地域と、市の行政機関が集まる東広島市役所や大規模な商業施設が点在する西条地区とを結ぶ、極めて重要なアクセスルートとしての役割を担っています。また、学術の中枢である広島大学や、市外・県外への玄関口である山陽新幹線東広島駅へのアクセスにも欠かせない道路であり、まさに東広島市内の東西を結ぶ大動脈と言える存在です。

旧道「七曲」から新道へ

かつて、このルートには「七曲（ななまがり）」と呼ばれる旧道が存在しました。その名の通り、曲がりくねった道が続き、文字通り「険道」とも称されるような通行に難儀する区間でした。しかし、その後の整備事業により、蚊無（かなし）トンネルなどを主要構造物とする新しい道が開通しました。

新道の整備は、この路線の利便性を飛躍的に向上させました。安芸津町と東広島市中心部との間の移動時間は大幅に短縮され、地域間のアクセスが格段にスムーズになりました。この改良は、安芸津地域にとって経済的な結びつきの方向を大きく変える要因の一つとなりました。かつては竹原市との繋がりが強かった旧安芸津町の経済圏が、新道開通を機に東広島市中心部との交流を深め、より密接な関係へとシフトするきっかけとなったのです。

沿革と地理

本路線は、1993年（平成5年）5月11日に建設省（現在の国土交通省）から主要地方道として指定されました。これにより、県内の幹線道路ネットワークにおける位置づけがより明確になり、重要性が高められました。

道路が通過するのは東広島市のみであり、起点で国道185号、終点で国道2号といった主要幹線道路と接続しています。沿線には、地域の交通結節点である山陽新幹線東広島駅が存在し、多くの利用者がこの県道を経由して駅へアクセスしています。

まとめ

広島県道32号安芸津下三永線は、海岸に面した安芸津地域と内陸の中心部、さらには広域交通の拠点である東広島駅とを結ぶ、東広島市にとって不可欠な基幹道路です。旧道の難所を克服する新道整備によって、地域間の連携強化と経済活動の活性化に大きく貢献しており、市民生活や産業活動を支える重要な役割を果たし続けています。

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