広島県道327号古屋吉田線

広島県道327号古屋吉田線

広島県道327号古屋吉田線（ひろしまけんどう327ごう こやよしだせん）は、日本の都道府県道の一つとして、広島県内に定められた一般県道です。この路線は、広島市の北部に位置する安佐北区の白木町古屋を起点とし、北東方向にある安芸高田市の吉田町上入江を終点とする計画路線として指定されています。

しかしながら、この県道は現時点において、路線の全区間にわたって車両などの通行が困難、あるいは物理的に不可能な状態である「通行不能区間」として指定されています。つまり、地図上で路線は引かれているものの、実際の道路として供用はされていません。

路線データ

この路線の公式なデータは以下の通りです。

起点: 広島県広島市安佐北区白木町古屋
具体的には、この地点で主要地方道である広島県道68号大林井原線と接続することが定められています。
終点: 広島県安芸高田市吉田町上入江
この地点では、一般県道である広島県道318号上入江吉田線と接続することが定められています。

前述の通り、この県道は起点から終点までの全区間が、物理的な道路が整備されていない、あるいは通行が極めて困難であるため、通行不能区間に指定されています。

地理

広島県道327号古屋吉田線は、計画上、以下の自治体を通過することになっています。

広島県
広島市（安佐北区）
安芸高田市

路線の沿線には、中国山地を発源し、島根県を経て瀬戸内海に注ぐ一級河川である江の川（広島県内では主に可愛川（えのかわ）と呼ばれます）が存在します。ただし、全線が通行不能区間であることから、沿道の具体的な地理的状況や景観を直接確認することは困難です。

歴史

この路線の歴史は、昭和35年（1960年）10月10日に始まります。この日、広島県が発行した告示第682号により、この路線は「広島県道159号古屋吉田線」として初めて県の道路網の一部として認定されました。当初は「159号」という路線番号が付与されていました。

その後、昭和47年（1972年）11月1日には、広島県が県道の路線番号体系を全面的に見直す再編作業を行いました。この再編に伴い、古屋吉田線は現在の路線番号である「327号」に変更され、現在に至っています。

路線の起終点の地名表記に関しては、その後の行政区画の変更に伴い、何度か修正が加えられました。

まず、昭和48年（1973年）10月22日には、起点が位置していた高田郡白木町が広島市に編入されました。これにより、起点の地名表記が「高田郡白木町古屋」から「広島市白木町古屋」へと変更されました。

続いて、昭和55年（1980年）4月1日には、広島市が全国で10番目の政令指定都市に移行しました。この市制の変更に伴い、起点の地名表記が「広島市安佐北区白木町古屋」という形で改めて表記されることになりました。

終点の地名表記にも大きな変化がありました。平成16年（2004年）3月1日には、終点が位置していた高田郡内の6つの町（吉田町、八千代町、美土里町、高宮町、甲田町、向原町）が対等合併を行い、「安芸高田市」が発足しました。これにより、終点の地名表記が「高田郡吉田町上入江」から「安芸高田市吉田町上入江」へと変更されました。

さらに、この同じ平成16年（2004年）の3月18日には、終点で接続する広島県道318号上入江吉田線の全線にわたる区域決定が改めて行われました。これに伴い、広島県道327号の終点の具体的な位置についても、この318号線の区域に合わせて変更が加えられました。

これらの歴史的な経緯を経て、現在の路線指定に至っていますが、認定から60年以上の長期間が経過した現在も、全線にわたって車両が通行可能な状態にはなっていません。これは、地形的な制約や整備の優先順位など、様々な要因によるものと考えられます。

まとめ

広島県道327号古屋吉田線は、広島市安佐北区と安芸高田市を結ぶ予定の重要な連絡路線として位置づけられていますが、その全区間が未供用であり、通行不能という特殊な状況が続いています。認定以来、行政区画の変更や関連路線の指定変更などにより、その起終点の表記や具体的な接続位置などに変化が見られてきました。現在も「地図上の県道」としてその存在を示しており、将来的な整備の可能性を含め、その動向が注目される路線の一つと言えます。

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