広島県道467号庄原新市線

広島県道467号庄原新市線

広島県道467号庄原新市線は、広島県庄原市の市域内を通過する一般県道です。路線の起点は庄原市川北町に位置し、終点は庄原市高野町新市に至ります。この県道は、過去には主要な路線として機能していましたが、現在はその性格を大きく変えています。

沿革

この県道は、もともとは主要地方道として指定されていた広島県道44号庄原新市線の一部でした。しかし、1982年（昭和57年）に新たな国道として国道432号が制定され、関連する道路網の再編が行われた際に、当路線は主要地方道から一般県道へと位置付けが変更され、現在の整理番号467号が付与されました。これは、路線の重要度や役割が、地域の幹線道路網の中で相対的に変化したことを示しています。

路線データ

本路線の具体的なデータは以下の通りです。

起点: 庄原市川北町（国道432号と接続しています）
終点: 庄原市高野町新市（ここでは国道432号上に重複しており、さらに広島県道39号三次高野線の終点、および広島県道186号新市三次線の起点ともなっています）
総延長: 10.2キロメートル

路線状況

庄原新市線の単独区間、すなわち国道432号と重複していない部分は、地理的に盤之谷峠を越える山間部を通ります。この単独区間の道路状況は決して良好とは言えません。路線の大部分で道幅が1メートルから1.5メートル程度と非常に狭く、またカーブが多くて見通しが悪い箇所が頻繁に現れます。このような線形や道幅は、自動車の安全かつ円滑な通行を困難にしています。

なぜこの区間が一般県道として存続しているかについては、庄原市川北町から比和町木屋原にかけて、当該県道からやや離れた場所にバイパス道路が建設されたことが一因として考えられています。主要な交通流はそちらの新しい経路に移ったため、旧来のルートであるこの県道が一般県道として残された可能性が指摘されています。

現在の庄原新市線の置かれている状況を示す顕著な例として、国道432号に設置されている案内標識が挙げられます。これらの標識からは、庄原新市線への誘導を示す情報や、この県道を経由した先の地名への案内が意図的に削除されています。これは、県道管理者や関連機関が、事実上、一般車両がこの路線を通行することを推奨していない、あるいは通行を避けるべき道であると考えている状況を示唆しています。

重複区間

路線の終点側の一部区間は、国道432号と重複しています。重複区間は庄原市比和町木屋原から終点である庄原市高野町新市までです。この区間においては、国道432号の道路として供用されています。

道路施設

この路線には、特筆すべき道路施設としてトンネルが存在します。王居峠（おいだわ）トンネルは、延長345メートルで、1997年（平成9年）に竣工しました。このトンネルは庄原市内に位置しますが、前述の国道432号との重複区間内にあります。

地理

通過する自治体: 本路線は全線にわたり広島県庄原市内を通過します。
交差する道路: 起点では国道432号、終点では国道432号の他、広島県道39号三次高野線および広島県道186号新市三次線と接続しています。
沿線: 沿線には、比和郵便局、庄原市立比和小学校、庄原市立比和中学校といった地域の施設が見られます。
* 峠: 路線の単独区間では、庄原市内に位置する盤之谷峠を越えます。

まとめ

広島県道467号庄原新市線は、かつて主要地方道として庄原地域を結ぶ役割を担っていましたが、国道整備によるルート変更やバイパス建設を経て、現在は通過推奨されない区間を含む特異な一般県道となっています。その歴史的背景と現在の道路状況は、地域の交通ネットワークの変化を示す事例と言えるでしょう。

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