広島県道74号下蒲刈川尻線

広島県道74号下蒲刈川尻線

広島県呉市内に位置する主要地方道の一つ、広島県道74号下蒲刈川尻線（ひろしまけんどう74ごう しもかまがりかわじりせん）について解説します。この路線は、瀬戸内海に浮かぶ安芸灘諸島と本土を結ぶ安芸灘諸島連絡架橋の一部を構成しており、地域にとって重要な交通網としての役割を果たしています。

概要

本路線は、安芸灘諸島連絡架橋の起点となる第一号橋、安芸灘大橋を含んでいます。この安芸灘大橋区間は有料道路として供用されています。ルートは、風光明媚な下蒲刈島の東沿岸部を巡るように設定されており、島内の集落を結びながら進みます。終点に近い小地蔵地区から、起点の呉市下蒲刈町大地蔵地区にかけては、かつて峠を越える経路となっており、一部1.5車線幅員の狭隘な区間が残されています。しかしながら、近年では海岸線に沿って2車線幅員の走りやすい市道も整備され、利用者の選択肢が増えています。特に注目すべき点として、途中の三之瀬地区には、全国的に見ても希少な石畳で舗装された道路区間が存在し、歴史的な雰囲気を今に伝えています。

路線データ

起点: 呉市下蒲刈町大地蔵
終点: 呉市川尻町小仁方（国道185号との交差点）
総延長: 9.387 km
本線部分: 5.919 km
別線部分: 0.829 km
安芸灘大橋有料道路区間: 2.639 km
実延長: 総延長と同じ

この延長距離には、有料区間である安芸灘大橋や、一部バイパス的な役割を持つ別線区間が含まれています。島内の主要な移動ルートとして機能しています。

歴史

広島県道74号下蒲刈川尻線としての歴史は比較的浅く、以下のような経緯をたどっています。

1990年（平成2年）2月1日：県道として路線が認定されました。
1993年（平成5年）5月11日：建設省（現国土交通省）によって、地域にとって特に重要な路線として主要地方道の指定を受けました。

主要地方道への指定は、路線の重要性が国によって認められたことを意味し、その後の整備促進につながるものです。

地理

通過する自治体

本路線は、その全区間にわたり広島県呉市を通過します。

交差する主な道路

この県道は、以下の主要な道路と接続しています。

広島県道288号見戸代大地蔵線（起点、呉市下蒲刈町大地蔵）
蒲刈広域農道（蒲刈大橋経由で接続、呉市下蒲刈町三之瀬）
広島県道288号見戸代大地蔵線（呉市下蒲刈町下島）
国道185号（終点、呉市川尻町小仁方）

沿線にある施設など

沿線には、地域のランドマークや歴史的な場所が点在しています。

安芸灘諸島連絡架橋（本路線に含まれる安芸灘大橋のほか、隣接して蒲刈大橋なども望めます）
三之瀬の雁木（江戸時代初期に福島正則によって造られたとされる港湾施設）
蘭島閣美術館
* 弘願寺

これらの施設は、路線の走行中に立ち寄ることができる観光スポットや歴史的な見どころとなっています。

広島県道74号下蒲刈川尻線は、単なる交通路としてだけでなく、安芸灘大橋を通じて本土と島嶼部を結ぶ結節点であり、また下蒲刈島の豊かな自然や歴史、文化に触れることのできるルートとして、地域住民や来訪者に利用されています。

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