広川勝美

広川勝美（ひろかわ かつみ、1936年 - ）は、日本の著名な国文学者です。同志社大学名誉教授の称号を持ち、日本の文学研究に大きく貢献しました。

学歴と研究

広川氏は徳島県に生まれ、同志社大学文学部国文学科を卒業後、同大学院文学研究科を修了しました。1986年には、國學院大學に『ものがたり研究序説』を提出し、文学博士の学位を取得しました。

職歴

同志社大学では、文学部助教授、教授を歴任し、2002年に退任。名誉教授となりました。長年にわたり、後進の育成に尽力しました。

研究分野

広川氏の研究は、物語研究、民間伝承、源氏物語など、多岐にわたります。特に、伝承史的方法論を用いた物語研究や、民間伝承の深層に迫る研究は、高く評価されています。また、源氏物語に関する研究も多く、都城や儀式といった視点から作品を深く読み解いています。

社会活動

研究活動の傍ら、「こころの道推進会議」代表幹事、神仏霊場会組織委員長を務めるなど、社会活動にも積極的に参加しています。日本の文化や精神性を大切にし、その普及に努めています。

受賞歴

2019年には、長年の教育・研究活動が評価され、瑞宝中綬章を受章しました。

著書一覧

『土くれの語り部たち 木地師と遍路と地芝居と』創世記　1977
『ものがたり研究序説 伝承史的方法論』桜楓社　1985
『犯しと異人 むかし話の基層』人文書院　1986
『深層の天皇 源氏物語の古京』人文書院　1990
『源氏物語探求 都城と儀式』おうふう　1997
『源氏物語花の都名所遊覧』同志社　2000
『神と仏の風景「こころの道」 伊勢の神宮から比叡山延暦寺まで』集英社新書　2008

共編著

『物語と説話』編　汐文社　1974
『神話・禁忌・漂泊 物語と説話の世界』編著　桜楓社　1976
『源氏物語の植物』編　笠間書院　1978
『民間伝承集成 語り部の記録』編　創世記　1979-80
『伝承の神話学 アイデンティティのトポロジー』編　人文書院　1984
『古代文学の様式と機能』共編　桜楓社　1988
『儀礼言語の様式』共著　桜楓社　1989
『源氏物語地名と方法』共編　桜楓社　1990
『伝承の古層 歴史・軍記・神話』共編　桜楓社　1991
* 『源氏物語と古代世界』共編　新典社　1997

広川勝美は、国文学研究における多大な貢献と、社会における積極的な活動を通じて、日本の文化と精神性の発展に寄与し続けています。

もう一度検索