広東艦隊

広東艦隊の歴史と概要

広東艦隊は、清末期に南シナ海を防衛するため設置された艦隊であり、通称「広東海軍」として知られています。艦隊の母港は広州の黄埔に位置し、両広総督の指揮のもと活動していました。この艦隊の設立は1866年にさかのぼり、当時の両広総督・瑞麟が英国およびフランスから機走砲艦を購入したことが契機です。これにより、巡視活動や海賊の取り締まりが行われることになりました。

組織と最初の艦艇

広東艦隊の最初の艦艇は、木製の汽船と砲艦から成り、瑞麟の指導の下で建造されました。具体的には「飛龍」「天津」「鎮海」「安瀾」「鎮濤」といった汽船と、砲艦「広東」「山東」が含まれています。しかし、「飛龍」は1868年に台風により失われ、「鎮海」は数年後に廃艦となっています。

その後、第二次アヘン戦争の際に、イギリスからの砲艦が艦隊に加わりました。この中には「綏靖」が含まれており、1886年に失われました。このように、広東艦隊は外部からの買収に依存しながら、その艦隊を強化していきました。

艦隊の主な活動

1881年に清国政府は、海南島近辺の警備のため広東艦隊を動員することを決定しました。この時期、福建艦隊と共に行動し、1884年8月までその任務を果たしました。しかし、清仏戦争の際には、艦隊は実際の行動を取ることなく、長期間港に留まっていたとされています。1885年にはフランス艦隊が広州湾を封鎖しましたが、艦隊は効果的な反応を示しませんでした。

増強と新しい艦艇

1880年代に入ると、広東艦隊は更なる艦艇の増強を計画しました。清国国内の造船施設やドイツに発注する形で、新艦艇が建造され、その多くは「広」という字を名に持っています。新たに完成した艦艇には「広亨」「広利」「広元」「広貞」などがあり、広州への水路警備のために使用されました。また、1884年には初の機走魚雷艇として「雷虎」「雷龍」が建造され、続いて多くの魚雷艇も導入されました。

最終的な変遷

1900年代には朝鮮問題が緊迫する中、さらなる艦艇が発注され、広東艦隊はその影響を受け続けました。全体として、広東艦隊が保持した艦艇は37隻、総トン数はおよそ11万トンに達していましたが、その後日清戦争の影響を受け、主要艦艇は北洋艦隊に組み込まれることになります。

結論

広東艦隊は、清国における海軍力の発展の一端を担い、時代の変化とともに様々な挑戦に直面した艦隊です。その活動や変遷は、当時の海軍戦略や国際関係を反映した重要な歴史的な事象となっています。

もう一度検索