広深線

広深線：中国高速鉄道のパイオニア

広深線は、中国広東省の広州と深圳を結ぶ高速鉄道線です。1980年代前半は単線非電化のローカル線でしたが、急増する交通需要に応えるため、段階的な改良工事が行われました。

まず、1984年から1987年にかけて複線化が実現。その後、1990年代には高速化工事が進められ、時速160キロメートルでの運行が可能となりました。さらに、貨物輸送の増強も図られ、単線の貨物専用線が追加されました。

1998年には電化工事が完了し、スウェーデン製の高速鉄道車両X2000を用いた時速200キロメートルでの都市間輸送が開始。そして2005年から2007年にかけて、中国本土で初めてとなる複々線化工事が完了しました。これにより、輸送能力の大幅な向上と、さらなる高速化への道が開かれました。

2007年からは、中国国産の高速鉄道車両CRH1型が導入され、現在では広州東駅から深圳駅までノンストップで52分という速達性を誇ります。

広深線は、東莞市で京九線と接続し、一部区間では線路を共用しています。さらに、香港との国境を越えて、香港の東鉄線とも接続。北京、上海、仏山、肇慶といった中国各地と香港を結ぶ重要な役割を果たしています。

路線概要

運営者: 広深鉄路股份有限公司
路線距離: 約147キロメートル
軌間: 1,435mm（標準軌）
駅数: 18駅（2014年現在）。CRH1型車両停車駅は、広州駅、広州東駅、東莞駅、常平駅、樟木頭駅、深圳駅の6駅です。
線路形態: 全線複々線
電化方式: 交流25,000V 50Hz 架空電車線方式
* 走行方向: 左側通行

歴史

広深線は、当初は需要の少ないローカル線でした。しかし、経済発展に伴い、広州と深圳間の交通需要が爆発的に増加。これに対応するため、段階的な改良を経て、現在の高速鉄道へと進化を遂げました。複線化、高速化、電化、そして複々線化という、中国鉄道史における重要な発展を刻んできた路線と言えます。

車両

現在、CRH1型車両を中心に運行されています。これらの車両は、高い速度と快適性を備え、多くの乗客を迅速かつ効率的に輸送しています。

駅一覧

広深線には18駅が存在します。しかし、すべての駅にすべての列車が停車するわけではなく、停車駅は列車によって異なります。特に、CRH1型車両は主要駅にしか停車しません。

結び

広深線は、単なる交通手段にとどまらず、中国の経済発展と社会変容を象徴する存在です。その歴史と技術革新は、中国高速鉄道の進化を物語る重要な一端であり、今後の発展にも大きく貢献していくでしょう。

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