広瀬久忠

広瀬 久忠の生涯と業績

広瀬久忠は1889年1月22日、山梨県の由緒ある旧家に生まれました。彼は山梨県立日川中学校を卒業後、第一高等学校、そして東京帝国大学法学部政治学科を修了し、1914年に卒業しました。内務省に入省した彼は、その後様々な役職を経て日本の公共政策に重要な影響を与えていきました。

内務官僚としてのキャリア

広瀬は1914年に内務省に入省し、千葉県属としてキャリアをスタートしました。彼は1917年には岐阜県警視、1919年には警視庁理事官を務めるなど、次々と重要なポジションに就きました。1923年に警視庁の警視となり、その後滋賀県警察部長を経て内務省の社会局書記官に任命されます。1930年代には三重県知事、埼玉県知事を経て、内務次官や厚生次官としても新たな課題に取り組みました。

政治家としての転身

1939年に平沼内閣で厚生大臣に就任し、1940年には内閣法制局長官にも任命されました。彼は1940年には貴族院議員に選出され、四半世紀にわたり政策形成に寄与しました。その後1944年に再度厚生大臣に就任し、内閣書記官長に転任しましたが、これらの活動の中で彼の政治的スタンスが色濃く反映されました。特に、彼の在任中は太平洋戦争の影響を色濃く受け、様々な難局に直面しました。

戦後はGHQによる公職追放を受け、1953年には参議院議員として政治の世界へ復帰しました。彼は自由民主党に加入し、政界の重鎮として活躍することになります。

憲法改正への情熱

広瀬は日本国憲法に対して改憲を強く主張した政治家でもあり、自主憲法期成議員同盟の初代会長として活動しました。彼の「広瀬試案」と呼ばれる改憲案には、天皇の地位の明確化や自衛軍の創設、さらには基本的人権の限界規定などが提案されました。彼の意見は当時の政治的議論において大きな注目を浴びました。

家族とその影響

広瀬の家系は広く影響力を持ち、彼の父である広瀬久政は衆議院議員で、政治的な背景を持っています。弟や子供も様々な公職に就いており、広瀬の影響もあってか、彼らも政界で活躍しています。特に、長男の広瀬久重は日本銀行の理事を務めるなど、金融界においてもその名を馳せています。

幕を閉じる

1974年5月22日、広瀬久忠は85歳でこの世を去りました。彼の死後、その功績は正三位から従二位に叙される形で認められました。彼のキャリアと影響力は、戦前から戦後の日本政治において重要な足跡を残しました。

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