広西府

広西府（こうせいふ）は、中国にかつて存在した行政区画であり、現在の雲南省東部に位置していました。この地域は、元代から清代にかけてその行政区分が変遷し、歴史の中で重要な役割を果たしました。

元代の広西路

1275年（元朝の至元12年）、この地域には広西路（こうせいろ）が設置されました。広西路は、雲南等処行中書省（うんなんとしょこうちゅうしょしょう）という、当時の地方行政機関に属し、師宗州（しそうしゅう）と弥勒州（みろくしゅう）の二つの州を管轄下に置いていました。この時期の広西路は、後の広西府の基礎となるものでした。

明代の広西府

1382年（明朝の洪武15年）になると、広西路は広西府（こうせいふ）へと改められました。広西府は、引き続き雲南省に属し、その管轄範囲も拡大しました。具体的には、師宗州、弥勒州に加え、新たに維摩州（いもしゅう）が加わり、三つの州を統治することになりました。この時期の広西府は、地域における行政の中心としての役割を担っていました。

清代の広西直隷州

1770年（清朝の乾隆35年）、広西府は広西直隷州（こうせいちょくれいしゅう）へと降格されました。直隷州は、府よりも下位の行政区分であり、この変更は、清朝における地方行政の再編によるものでした。広西直隷州は、雲南省に属し、師宗県、弥勒県、丘北県（きゅうほくけん）の三つの県を管轄しました。府から直隷州への変更は、この地域における行政的な地位の変化を示唆しています。

中華民国時代

1913年、中華民国が成立すると、広西直隷州は廃止され、広西県（こうせいけん）へと改称されました。さらに、1929年には、広西県は瀘西県（ろしけん）と改称されました。この改称は、行政区画の再編の一環であり、広西府以来の名称が歴史から消えることになりました。



広西府は、元代から中華民国時代にかけて、その名称や管轄範囲を変えながらも、この地域の歴史において重要な役割を果たしました。現在の瀘西県は、かつての広西府、広西路、そして広西直隷州の歴史的な足跡を今に伝える場所となっています。

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