庄忠人

庄忠人（しょう ただと）

庄忠人は、明治32年（1899年）2月11日に生まれ、昭和27年（1952年）10月17日に没した日本の実業家であり、政治家としても活動し衆議院議員を務めました。

生い立ちと事業

山口県出身の庄忠人は、庄晋太郎の二男として生を受けました。早稲田大学で学び、その知識と人脈を基に実業界で頭角を現します。彼は、小島炭礦組合頭取、於福無煙炭礦組合頭取、長門無煙炭礦組合頭取、松浜炭礦組合取締役、不二石材工業取締役など、多岐にわたる企業の要職を歴任し、炭鉱業を中心に地域経済の発展に尽力しました。

政界での活動

実業家として手腕を振るう傍ら、庄忠人は政界にも進出しました。宇部市会議員に就任し、地方政治に参画。その後、昭和22年（1947年）4月の第23回衆議院議員総選挙において、山口県第一区から民主党公認で出馬し、見事当選を果たします。これにより、衆議院議員として国政に一期の間、携わることとなりました。

その他の活動

政治家、実業家としての活動以外にも、庄忠人は地域社会への貢献を積極的に行いました。宇部市体育協会長、山口県野球連盟会長、山口県政治協議会常務委員などを務め、スポーツ振興や地域社会の発展に尽力しました。

炭鉱国管疑獄と裁判、そして死

しかし、順風満帆に見えた庄忠人の人生に暗雲が立ち込めます。炭鉱国管疑獄に連座し、逮捕されてしまいます。昭和27年（1952年）6月19日、東京地方裁判所において、懲役8か月、執行猶予1年の判決が言い渡されました。この判決を不服として控訴しますが、控訴審の審理中に病に倒れ死去。裁判所は公訴棄却の決定を下しました。

参考文献

『第三回国会 衆議院議員名簿』衆議院公報附録、1948年。
衆議院・参議院『議会制度百年史 - 衆議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
田中二郎、佐藤功、野村二郎編『戦後政治裁判史録 1』第一法規出版、1980年。
人事興信所編『人事興信録』第14版 上、1943年。

庄忠人は、炭鉱経営者として地域経済に貢献し、政治家としては国政にも参加しましたが、晩年は疑獄事件に巻き込まれ、志半ばでその生涯を終えました。彼の人生は、昭和という激動の時代を生き抜いた一人の人物の足跡として、今もなお語り継がれています。

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