座席車

座席車についての詳細

座席車（ざせきしゃ）は、鉄道における旅客車両の一種で、主に乗客が利用するための腰掛を設けた設計が特徴です。この車両は、直接的には寝台車と対になる存在となっており、主に日中の客の移動に用いられます。ただし、寝台車には座席と寝台の二つの定員が設けられており、昼間に座席として利用するためには、寝台セットを取り外すなどの措置が取られます。

1970年代までは、寝台車が連結された夜行急行列車が多く運行されていましたが、繁忙期には客の混雑が予想されるため、寝台車の連結を中止し、座席車に切り替えることが行われました。このような運用は、混雑時の運行安定性を保つため重要な手段とされました。

1980年代後半からは、寝台特急と呼ばれる特急列車にロビーカーやラウンジカーが連結されるようになりましたが、これらはあくまでフリースペースとして利用され、座席の販売は行われませんでした。それでも、車種としては座席車に含まれることが多かったのです。

座席車は、一般的には「腰掛を有する」とされていますが、特に長い車両の場合、特定の配置が存在します。例えば、20メートルの車両では、4か所以上の扉が開かれるものもあり、立席の方が多い車両も見受けられます。このような車両の日本での初例としては、1990年に登場した東日本旅客[[鉄道]]の205系電車があります。この車両は混雑緩和のために専用に設けられたもので、その後の209系やE231系でも同様の設計が採用されています。加えて、東急5000系電車でもこの方式が適用され続けています。

さらに、寝台特急の一部列車では1970年代末から、寝台車を利用した座席利用も行われてきました。寝台車が格納され、座席利用が計画的に行われる形態でしたが、これはあくまで短期間の運用に限られることが多く、その後の運用見直しで終了することもありました。

1990年代以降には、「あけぼの」や「はくつる」といった寝台列車で、寝台用具を省いた形での座席車利用も見られるようになりました。これは、寝台券が不要とされたことから、営業上は座席車的な位置付けがなされたものの、具体的な運用については異論が存在します。

座席車の種類

座席車は、主に等級と形態によって分類されます。等級によるものは一等車、二等車などに細分化されます。一方、形態による分類には主に以下の二つがあります。

開放式

開放式座席車は、両端に出入口を設けつつ客席の大部分に腰掛を設置したタイプです。この形式は、旧日本国有[[鉄道]]の特急車両や急行形車両に多く採用されてきました。加えて、デッキを設けずドアと腰掛などを配置する近郊形や通勤形の車両もこの分類に含まれます。中央にデッキを設ける車両もあり、特に有名なものとしてJR九州の783系電車が挙げられます。

片廊下式

片廊下式は、出入口の片側に廊下を設置した設計で、主に一等車両などで見られます。日本では、ジョイフルトレインの欧風車両型での導入が見られ、他の国では馬車から進化した形態としてコンパートメント席が配置されるケースもあります。

座席車は、鉄道旅行において乗客が快適に過ごすための重要な要素であり、その運用方式や種類は地域や時代によって多様な変化を遂げてきました。

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