廣瀬無線電機

廣瀬無線電機株式会社は、東京都千代田区に本社を置く、電気器具および家電製品の卸売を専門とする商社です。1925年（大正14年）にラジオ部品の卸商として創業し、その歴史は日本のラジオ放送黎明期と深く結びついています。創業当初から「NHKと共に生まれた廣瀬」を標榜し、業界内で確固たる地位を築いてきました。

創業と成長

創業者の廣瀬太吉は、1925年3月に東京・神田淡路町にて廣瀬商会を設立しました。当時、NHKの試験放送開始とほぼ同時期であり、その黎明期からラジオ関連事業に携わっていたことが、同社の発展の礎となりました。1933年には、現在の本社所在地である外神田に移転し、株式会社廣瀬商会として組織を改めました。その後、1940年には廣瀬無線電機株式会社へと社名を変更し、電気製品の総合商社としての地位を確立しました。

事業の多角化

廣瀬無線電機は、時代とともに事業を多角化してきました。1951年には、ヒロセテクニカルサービス株式会社を設立し、技術サービス分野に進出。1955年には、寿土地建物株式会社を設立し、不動産事業にも参入しました。また、1965年には広瀬電工株式会社を設立し、電気工事分野にも進出するなど、グループ全体で幅広い事業展開を行ってきました。

秋葉原との関わり

廣瀬無線電機は、秋葉原の発展に大きく貢献してきた企業でもあります。かつては、子会社の広瀬商会が「ヒロセムセン」の屋号で家電量販店を3店舗展開し、秋葉原電気街の礎を築いた老舗量販店として知られていました。全盛期には、ラジオCMを数多く流し、その存在感を示していました。現在では、量販店事業から卸売業へと事業を転換していますが、秋葉原との深い関わりは今もなお続いています。

本社ビルとその周辺

廣瀬無線電機の本社ビルは、中央通り沿いに位置しており、その地下には同人ショップ「メロンブックス秋葉原店」、1階には免税店「AKKY II」、1階から4階にはゲームセンター「Hey（Hirose Entertainment Yard）」が入居しています。また、5階にはイベントスペースが設けられており、多様な用途で利用されています。

かつては、本社ビルには「ヒロセムセン」や「ヒロセパーツセンター」などの小売店が入居していました。2002年頃には、「ヒロセテクニカル」が本社ビル2号館に移転し、その後、「ヒロセテクニカル」跡地には「AKKY II」が開店しました。また、ゲームセンター「Hey」は、当初2階と3階のみで営業していましたが、後に4階も増床し、現在の形となっています。また、裏通り側には「HIROSE DVD BANK」が存在していましたが、現在は閉店し、「Hey」が増床しています。

現在の事業展開

現在、廣瀬無線電機は、全国の家電量販店やホームセンター等への卸売事業を主力としています。長年の経験と実績を活かし、高品質な製品とサービスを提供し続けています。また、関連会社を通じて、電気工事や不動産賃貸など、幅広い事業を展開しています。

関連会社

広瀬電工株式会社：電気工事、電材卸、住宅リフォームなどを手がけています。
ヒロセテクニカル株式会社：電気設備システムの設計・施工、秋葉原HITEC館での電子工具・部品類の小売りを行っています。
* 寿土地建物株式会社：秋葉原界隈の貸ビル事業を展開しています。

創業者・廣瀬太吉

廣瀬無線電機の創業者である廣瀬太吉は、1957年に紺綬褒章、1958年に藍綬褒章、1971年に勲三等瑞宝章を受章するなど、その功績が広く認められています。2000年に死去しましたが、彼の遺志は今日の廣瀬無線電機に受け継がれています。

まとめ

廣瀬無線電機は、1925年の創業以来、ラジオ部品卸から電気製品の卸売商社として、日本の電気業界の発展に貢献してきました。秋葉原の電気街の発展にも深く関わり、その歴史とともに歩んできた企業と言えるでしょう。現在は、卸売業を中心に事業を展開していますが、そのルーツは秋葉原とともにあります。

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