廬山雲霧

廬山雲霧茶（ろざんうんむちゃ）は、中国江西省九江市南部の名山、廬山を産地とする緑[[茶]]です。「中国十大銘[[茶]]」の一つとして知られ、その名は広く知られています。

特徴として、まずその外観が挙げられます。茶葉は深緑色で、細く揉み込まれています。香りは独特で、漢方薬にも似た香りがすると言われます。これは、その製法に由来するものです。

廬山雲霧茶の製法は、一般的な日本の緑[[茶]]とは異なります。茶摘み後、すぐに蒸すのではなく、また龍井茶のようにすぐに煎るわけでもありません。数時間、室内で萎凋（乾燥）させます。この萎凋の程度が、廬山雲霧茶の風味を決定づける重要な工程となります。その後、茶葉内の酵素による発酵を止めるため、釜煎り（殺青）を行います。この殺青は、日本の緑[[茶]]のように蒸すのではなく、煎るのが特徴です。釜煎りの温度は160〜180度で、時間も3〜5分程度と、職人の経験と勘によって調整されます。この工程で、製品としての茶葉の色が決まります。殺青後、茶葉を冷やし、同時に揉捻を行います。これは茶葉の味を均一にするための工程です。最後に、機械で熱風乾燥させ、残りの水分を取り除くと、廬山雲霧茶が完成します。

廬山雲霧茶の産地は、廬山に限らず、周辺一帯の茶畑でも製造されています。そのため、有名であるにもかかわらず、安価な製品も市場に出回っています。茶行（茶葉専門店）で廬山雲霧茶が見当たらない場合、味と香りが似ている「三杯香」を勧められることがあります。しかし、この三杯香は、名前の通り、三杯程度しか味と香りが持続せず、すぐに味が薄れてしまうという特徴があります。

廬山雲霧茶の美味しい淹れ方については、龍井茶の淹れ方を参考にすると良いでしょう。

廬山雲霧茶の歴史は古く、明朝の李時珍が著した『本草綱目』の茗（茶の別名）の部に、「廬山之雲霧」と記述されているのが、文献における初出とされています。

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