延辺大学

延辺大学について

延辺大学（えんぺんだいがく、英語: Yanbian University）は、中国の吉林省延辺朝鮮族自治州の延吉市にある省立総合大学です。この大学は特に朝鮮族の高等教育を重視しており、朝鮮語と中国語の両方が授業で用いられています。初代校長は朱徳海氏であり、国家重点大学にも指定されています。

大学の概要

延辺大学は、満州国時代に関東軍の憲兵司令部があった地域に設立されました。これらの歴史的背景は、現代の大学の姿にも影響を及ぼしています。この大学は、政治学部を主に使用している建物を含む、14の学院を持っています。各学院は日本の学部に相当し、哲学、経済学、法学、教育学、文学、歴史学、理学、工学、農学、医学、管理学という11の学系にわかれ、65の専攻科が設置されています。

また、大学内には東北アジア研究所や民族研究所などの直属研究機関があり、学際的な研究が行われています。さらに、様々な全国的な学術団体も大学内に存在しています。

在校生数は多く、2004年には約19,820人の学生が在籍しており、そのうちの半数以上が全日制の学部学生でした。国際的な側面としては、大韓民国やアメリカ合衆国、日本、ロシアなどからの留学生も多く、これにより多文化交流が促進されています。

大学の歴史

延辺大学の起源は、1945年に設立された龍井医科大学にさかのぼります。1946年には吉東軍政大学が開設され、その後様々な統合を経て1949年に延辺大学が正式に成立しました。この当時、朝鮮族学生を対象とした教育が行われており、歴史的な背景を反映した教育方針が採用されていました。

1950年代には、南北朝鮮の分断や、その影響から生じた政治的な変化の中で、大学は様々な試練を経験しました。特に、文化大革命の影響下で大学の運営が厳しく制約された時期もありました。その中で多くの教職員や学生が審査や迫害を受けましたが、次第に修復され、学問の自由が取り戻される過程もありました。

1978年以降、延辺大学は日本語学科や外国語学科を新たに設置し、国際交流にも力を入れるようになりました。そのため、今日では多くの国際的な協定校と連携し、学生交流が進められています。

教育体系

延辺大学は、教育の質の向上に取り組み続けており、様々な学位プログラムや研究機関の設立を通じて学生への支援を惜しみません。特に民族研究や朝鮮文化に関する研究が重視されており、地域の文化的なアイデンティティを守る活動が評価されています。大学の教育は、多元的で包括的なものであり、現在は朝鮮族以外の民族も受け入れているため、より多様な価値観が共存しています。

卒業生と国際交流

著名な卒業生には、政治家や学者が多数含まれており、彼らは様々な分野で活躍しています。また、延辺大学は国内外の多くの大学と交流協定を結んでおり、特に日本の大学とのつながりが深く、学生の国際的な視野を広げる機会が提供されています。

延辺大学は、その豊かな歴史と教育の伝統に基づき、これからも地域社会や国際社会に貢献する人材を育成し続けることでしょう。

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