延辺朝鮮族自治州

延辺朝鮮族自治州について

延辺朝鮮族自治州（えんぺんちょうせんぞくじちしゅう、朝鮮語: 연변조선족자치주）は、中華人民共和国吉林[[省]]に位置し、朝鮮族の自治州として知られています。自治州の中心地は延吉市であり、独特の景観は漢字とハングルが併記されていることによって際立っています。

地理

この自治州は、南西にそびえる白頭山を中心に構成され、北部では豆満江が境界をなして北朝鮮の咸鏡北道と接しています。東側はロシアの沿海地方、北は中国の黒竜江省と接し、西側は吉林[[省]]の吉林市と白山市があります。面積は42,700平方kmで、九州よりわずかに広い面積を持ち、山がちの地形が特徴です。白頭山は、朝鮮民族だけでなく満州民族にとっても聖なる山とされている火山で、その周囲にはわずかな平地が広がっています。

歴史

延辺の地は古代高句麗や渤海の発祥地であり、敦化市には渤海初期の都城である東牟山が存在しました。また、渤海の壁画古墳である六頂山貞恵公主墓もこの時代の名残となっています。渤海国が滅亡した後、この地域は女真に支配され、明代には建州衛が設置されました。

19世紀になると、朝鮮からの移民が多くこの地域に定住しました。清代後期には延吉庁と琿春庁が設立され、満州国時代には間島省が設置されました。1949年中華人民共和国が成立すると、延辺専区が設けられ、1952年には「延辺朝鮮族自治区」、1955年には「延辺朝鮮族自治州」と改称されました。文化大革命の期間中、朝鮮族の州長が迫害され亡くなるなどの歴史もありましたが、近年では韓国への移住や少子高齢化が社会課題となっています。

行政区画

現在の延辺朝鮮族自治州は、6つの県級市と2つの県で構成されています。これには、延吉市、図們市、竜井市、琿春市、和竜市、敦化市が含まれ、さらに汪清県と安図県が存在します。

経済

延吉市は木材生産が盛んで、鉱物資源も豊富です。また、国境近くの琿春市は国境開放都市として発展しています。1992年以降、韓国からの直接投資が増加し、自治州は中国の辺境地域の中で最も高い経済成長を遂げています。例えば、2003年の生産総額は対前年比10.1%増の171.5億人民元に達しました。

交通

交通インフラも整備されており、延吉朝陽川空港は韓国、ロシア、北朝鮮と接続されています。一方、道路や鉄道も発達し、国境検問所では外国人と隣国との間の往来が許可されています。

教育

自治州内には延辺大学や延辺科学技術大学があり、教育分野も充実しています。

観光および文化

延辺には多くの観光地や文化的な遺産が存在します。青年湖公園や延辺大学、犬肉街などが市民に親しまれています。また、朝鮮族の伝統や歴史も観光の重要な要素となっています。

延辺朝鮮族自治州は、特異な歴史と文化、経済発展を遂げる地域として、訪問者に多くの魅力を提供し続けています。

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