建世(けんせい)は、
中国の
新代末期から
後漢初期、具体的には
25年から
27年の間に用いられた元号です。この元号は、当時勢力を拡大していた赤眉軍が、劉盆子(りゅうぼんし)を皇帝として擁立した際に使用されました。
この元号に関する興味深い発見として、現在の
内モンゴル自治区で見つかった居延
漢簡(きょえんかんかん)の中に、「建世二年」と記された木簡が存在することが挙げられます。この木簡は、当時の歴史的な状況を知る上で貴重な資料となっています。
史料における記述
『
後漢書』の劉玄劉盆子列伝には、建世元年に関する記述が見られます。具体的には、「六月,遂立盆子為帝,自号建世元年。」という記述があり、劉盆子が皇帝として擁立され、建世元年と号したことが記されています。
参考文献
建世に関する研究は、以下の文献でより深く掘り下げられています。
李崇智『
中国歴代年号考 修訂本』(北京:中華書局,2001年1月) ISBN 7101025129
大庭脩・編『木簡 古代からのメッセージ』、大修館書店、1998年。
関連事項
中国の元号に関心のある方は、元号一覧 (
中国)も参照してください。
この元号は短期間しか使用されませんでしたが、
新代から
後漢への移行期における社会情勢や、赤眉軍の動向を知る上で重要な手がかりとなります。特に、居延
漢簡の発見は、当時の歴史研究に
新たな視点をもたらしました。