建熙

建熙（けんき）とは

建熙は、五胡十六国時代に存在した前燕の君主、慕容暐（ぼよう い）の治世で使用された元号です。360年2月から370年11月までの約10年間にわたり使用されました。この元号が使用された時代は、中国が政治的に分裂し、様々な民族が興亡を繰り返した激動の時代でした。

元号と時代背景

五胡十六国時代は、西晋王朝が衰退した後、匈奴、羯、鮮卑、氐、羌の五つの北方遊牧民族（五胡）が中原に侵入し、各地に多数の小国家を樹立した時代です。前燕もその一つであり、鮮卑族の慕容氏によって建てられました。建熙の元号が使用された時期は、前燕が一時的に勢力を拡大したものの、次第に衰退に向かっていた時期と重なります。

建熙の期間

建熙の期間は、西暦で360年から370年に相当します。干支との対応は以下のようになります。

元号の意義

元号は、君主が天命を受けていることの象徴であり、政治的な正統性を示す意味合いを持っていました。建熙という元号も、慕容暐が前燕の君主としての権威を示すために使用したと考えられます。しかし、前燕はその後、前秦によって滅ぼされ、建熙の元号もその歴史を終えることになります。

まとめ

建熙は、五胡十六国時代の前燕という短命な王朝で使用された元号の一つです。この元号が使用された時代は、中国の歴史において非常に複雑で激動の時代であり、様々な民族や国家が興亡を繰り返しました。建熙という元号を知ることは、この時代の歴史を理解する上での一つの手がかりとなります。

参考文献
『中国歴代年号考』李崇智（中華書局 2004年）

関連項目
元号一覧 (中国)

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