己巳(きし)とは?
己巳(きし)は、60種類の
[干支]]組み合わせにおける6番目にあたる干支です。一つ前の
干支は
戊辰]、次の[[干支は庚午(かのえうま)となります。
陰陽五行説において、
十干の『己』は陰の
土、『巳』は陰の
火を表します。この組み合わせは、
火が
土を生むという『相生』の関係性にあることが特徴です。この相生関係は、己巳の持つ性質や意味合いを理解する上で重要な要素となります。
己巳の年
西暦年を60で割った余りが9となる
西暦が、己巳の
年となります。例えば、1969
年、2029
年などが己巳の
年に当たります。己巳の
年には、特別な出来事や出来高が期待されるという考え方が、古くから伝わる地域もあります。
己巳の月
西暦年の下1桁が4または9の
年の
4月が、己巳の月に当たるとされています。ただし、これはあくまで暦の計算方法の一つであり、
旧暦の
4月や、
立夏から
芒種の前日までの期間を己巳の月とする考え方もあるため、注意が必要です。
己巳の日
己巳の日は、弁才天の縁日として知られています。弁才天は、音楽、芸能、学問などの神様として信仰を集めており、己巳の日に弁才天を祀る神社では、多くの参拝者で賑わうことも少なくありません。
また、己巳の日の暦注(こくちゅう)には、
旧暦の
4月、6月、10月の場合は凶会日とされており、神吉日や大明日とされる場合もあるなど、日によって吉凶が変化します。具体的な暦注は、その
年の暦を参照する必要があります。
己巳にまつわる歴史的出来事
最も有名な出来事としては、
貝原益軒による紀行文『己巳紀行』(
元禄2
年、
1689[[年]])が挙げられます。この紀行文は、上方(関西地方)への旅の様子を詳細に記したものであり、特に注目すべき点は「日本三景」という言葉が初めて登場した文献であるという点です。これは、日本の文化的歴史を語る上で重要な資料となっています。現在でも『己巳紀行』は、古典文学として高く評価されており、多くの研究者によって分析・解釈されています。岩波書店から刊行された『新日本古典文学大系』にも収録されており、広く一般にもアクセス可能な資料となっています。
まとめ
己巳は、陰陽五行説に基づく
干支の組み合わせであり、
西暦から
年、月、日を割り出すことができます。弁才天の縁日や、
貝原益軒の『己巳紀行』など、己巳にまつわる歴史的、文化的出来事も多く存在します。己巳という
干支を通して、日本の歴史や文化、信仰などを多角的に理解を深めることができるでしょう。