乙丑

乙丑（きのとうし）とは？

乙丑（きのとうし）は、60ある干支の組み合わせの一つです。甲子（こうし）に次ぎ、丙寅（へいいん）に先立つ順番で、干支の循環において重要な位置を占めています。

干支は、十干（じっかん）と呼ばれる甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の10文字と、十二支（じゅうにし）と呼ばれる子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の12文字を組み合わせたものです。乙丑は、十干の2番目である「乙」と、十二支の2番目である「丑」の組み合わせから成り立っています。

陰陽五行説の観点から見ると、乙は陰の木、丑は陰の土を表します。陰陽五行では、木は土を剋する（こくする）関係にあります。これは、木が土を成長を阻害したり、土を消耗させたりするという意味です。そのため、乙丑には、この相剋関係に由来する象徴的な意味合いが込められていると考えられます。

乙丑の年、月、日

乙丑の年は、西暦年を60で割った余りが5になる年に当たります。60年に一度巡ってくる特別な年であり、古来より様々な占いや暦注に用いられてきました。

乙丑の月は、暦の計算方法によって定義が異なります。旧暦や、二十四節気のうち小寒から立春の前日までの期間を指す節月（せつげつ）を基準にする場合もあります。一般的には、西暦年の下1桁が3または8の年の12月を乙丑の月と見なすことが多いようです。

乙丑の日は、通常の暦において、乙丑の干支が割り当てられた日です。この日の吉凶については、様々な暦注が存在し、解釈も様々です。例えば、旧暦3月と10月には凶会日（きょうかいび）、納音が木性の人には五墓日（ごぼび）とされる場合もあります。一方で、神吉日（しんきつび）とされる場合もあり、日取りの判断には注意が必要です。

暦注と解釈

乙丑の日に関連する暦注には、凶会日、五墓日、神吉日などがあります。これらの暦注は、古くから伝わる暦の知識に基づいており、その日の吉凶を判断する際に参考とされてきました。しかし、これらの暦注の解釈は時代や地域、個人の信仰によって異なるため、一概に良し悪しを断定することはできません。

凶会日は、物事がうまく運ばない日とされ、重要な行事や取引などは避けるべきとされています。五墓日は、特定の五行の性質を持つ人が、不幸に見舞われる可能性があるとされています。一方、神吉日は、神様のご加護があるとされ、新しい事業の開始や神事などに適した日とされています。

このように、乙丑の日の吉凶は、暦注の内容や解釈によって異なってきます。具体的な行動を決定する際には、複数の暦注を参照したり、専門家の意見を聞いたりするなど、慎重な判断が求められます。

まとめ

乙丑は、干支の組み合わせの一つであり、陰陽五行説にもとづいた独特の意味合いを持っています。乙丑の年、月、日それぞれに特有の暦注が存在し、古くから人々の生活に深く関わってきました。これらの暦注は、現代においても、日々の生活や計画を立てる際の参考として活用されています。ただし、暦注の解釈には注意が必要であり、複数の情報を総合的に判断することが重要です。

もう一度検索