建礼門

建礼門：平安京から現代京都御所へ至る格式高い門

建礼門は、平安京内裏の南正面に位置していた外郭門、そして現在の京都御所の正門として知られる由緒ある門です。その歴史と役割、そして現代における重要性について詳しく見ていきましょう。

平安京内裏の建礼門

平安京内裏における建礼門は、内郭の承明門と相対する、南正面に位置する重要な門でした。東西に延びる築地の両端には、春華門と修明門が配置され、建礼門を中心とした威厳ある門構えを形成していました。門の外側には、警備のための仗舎が設けられ、夜には炬火が灯され、兵衛による厳重な警備が敷かれていた様子がうかがえます。

白馬節会という重要な儀式が建礼門の前で行われたことから、「青馬陣」という別名も持ち、内裏の南に位置することから「南端門」、外郭の門であることから「外門」、そして「南面僻仗中門」といった様々な呼び名で呼ばれていました。建築様式は、檜皮葺の切妻屋根、角柱を用いた四脚門という、当時の建築技術の高さを示す風格あるものでした。

京都御所の建礼門：近世の再建

現代に見られる京都御所の建礼門は、平安京内裏にあった建礼門とは異なり、近世に再建されたものです。中世の内裏では廃絶していたため、現在の建物は歴史的建造物としての価値を持ちながらも、歴史を繋ぐ再建物であることに注意が必要です。

現在の建礼門は、御所敷地の中央よりやや西側に位置し、カシの木を材料とした檜皮葺の切妻屋根、角柱の四脚門という、平安時代の様式を受け継いだ構造となっています。天皇皇后両陛下や外国元首級の方々のみが通行を許される、京都御所の中でも最も格式の高い門として扱われ、一般参観時にも開門されることはありません。しかし、間近でその威容を拝見することは可能です。その厳格な扱いは、建礼門の歴史的意義と格式の高さを如実に示しています。

建礼門院との関連性

建礼門の名は、歴史上著名な人物とも深く関わっています。平徳子は、安徳天皇の生母として知られ、院号宣下により「建礼門院」と称されました。このことから、建礼門という名称が、平安時代における権力や格式を象徴する重要な場所であったことがわかります。

まとめ

建礼門は、平安京から現代の京都御所へと続く歴史を持つ、格式高い門です。その建築様式、警備体制、そして特別な扱いなどは、平安時代の文化や社会構造を理解する上で重要な手がかりとなります。また、建礼門院との関連性も考慮すると、建礼門は単なる門ではなく、歴史と文化を象徴する存在と言えるでしょう。これからもその歴史的意義を大切に守り、後世へと伝えていくことが重要です。

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