式守伊之助 (12代)

12代式守伊之助 - 大相撲の名立行司

12代式守伊之助（じゅうにだい しきもり いのすけ、1859年7月14日 - 1937年12月25日）は、明治から昭和にかけて活躍した大相撲の有名な立行司であり、本名は小島勘治郎である。名古屋市緑区鳴海が彼の出身地で、彼の相撲道は数多くの人々に感銘を与え続けてきた。

伊之助は1874年に高砂浦五郎の改正組に行司として参加し、初めは木村官司と名乗って活動を始めた。彼は高砂が東京相撲に復帰する際に加入し、1880年には木村小市に改名した。1888年には番付に初めて載ったことが彼の相撲人生の大きな一歩となった。1895年1月には幕内格、1902年1月には三役格として昇進し、1908年5月には木村誠道（2代目）に改名し、その名を広めた。

1914年3月、先代の11代式守伊之助が亡くなった後、彼は伊之助という名を襲名することを躊躇した。伊之助の名を持つと早死にするという恐れから、協会もその名義を削除し誠道が次席として活動することとなった。これにより彼は1915年1月にようやく12代式守伊之助を襲名した。この名は、「見越し軍配の名人」という称号を伴っていた。これは彼が勝負が決まる前に軍配を挙げることが多かったためであり、特に1912年には国見山と四海波の取組において、軍配を早く挙げて問題になったこともあった。このような実績から、彼の裁きには厳しい評価があった。

彼が行司として活躍する中、時には論争を巻き起こしたこともあったが、着実に地位を確立していった。1912年の例のように、彼の裁きは必ずしも称賛されるものではなく、実際に処罰の話が出たこともあった。それでも彼は1921年の夏場所後に引退を決意し、その後は相撲茶屋や映画館の経営に進出した。引退後も彼の影響は大きく、相撲界の発展に寄与し続けた。

1937年12月25日、彼は79歳でその生涯を終えることとなった。多くのエピソードと共に残された彼の存在は、現在の大相撲界にも影響を与えており、後世に語り継がれている。伊之助の生涯は、相撲という伝統の中で変化をし続ける姿を象徴しているともいえる。彼のような名立行司の存在が、現代の相撲界においても、観戦する人々や選手たちに影響を与えていることは間違いない。

彼の業績や名声は単なる行司としてのものに留まらず、相撲の文化自体を豊かにし、多くの人々に希望や勇気を与えるものであり、彼の名は永遠に心に刻まれるだろう。

もう一度検索