弓取式

弓取式（ゆみとりしき）

弓取式は、大[[相撲]]の興行における特別な儀式であり、結びの一番で勝利した力士の替わりに、作法を熟知した力士が土俵上で弓を振り舞い、勝者の舞を演じます。この儀式は全取組終了後に行われ、特に注目されています。

歴史的背景

弓取式の起源は平安時代までさかのぼるとされており、当時は左近衛府と右近衛府の力士が相撲を取り、勝利した側の立会役が矢を背負い、勝者の舞を演じていたと言われています。現在の弓取式の形は、1791年に横綱であった2代谷風梶之助が徳川家斉の目の前で行ったことが基になっています。この時、彼は弓を振りかざし、観客に対して敬意を表しました。

もともと弓取式は千秋楽のみの特別な行事でしたが、1952年5月以降、毎日行われるようになりました。特に千秋楽には幕内の優勝決定戦前に必ず行われるため、相撲ファンにとって見逃せない瞬間となっています。

議事概要

弓取を行う力士は、向正面に控えており、結びの一番で東方の力士が勝利した場合は東から、逆に西方が勝った場合は西から土俵に上がって弓を振り、四股を踏みます。控え席には何も敷かず、基本的には地面に座りますが、関取が務める場合は座布団が用意されます。

弓取を担う力量士は原則として幕下以下ですが、特別な場合には大銀杏を結い、化粧廻しを締めて参加します。弓取式は、基本的に横綱の部屋または一門から選ばれますが、横綱が不在であれば、大関のいる部屋から選出されることになります。

ジンクスとその影響

弓取式を担当した力士は関取に昇進できないというジンクスが相撲界には存在しました。しかしこのジンクスは1990年に巴富士が十両に昇進したことで薄れ、さらに2007年には上述のように十両力士が弓取式を務めることになりました。過去には、他の力士たちが弓取式を務めた後、関取の地位から陥落した例もありますが、その地位の維持に成功したケースもあります。

弓を落とした場合のしきたり

弓取式において弓を地面に落とした場合は、手ではなく足で拾うという特別な決まりがあります。これは、土俵に手をつくことが負けにつながるため縁起が悪いとされています。力士は足の甲を使い、弓を上に跳ね上げてから掴み取る技法が求められます。もし弓が土俵の外に飛んでしまった場合には、呼出が拾い上げて渡すのが手順です。

まとめ

弓取式は単なる儀式ではなく、相撲文化の重要な一部を成しています。力士たちの姿勢、伝統、そして観客との絆を深める役割を担っているのです。この古き良き儀式が今後も大[[相撲]]の中で受け継がれ、さらなる発展を遂げていくことを願います。

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