弓場筋

神戸市道弓場線：歴史と現代が交差する東灘区の動脈

神戸市道弓場線、愛称「弓場筋」は、兵庫県神戸市東灘区の西部を南北に走る幅員27mの市道です。4車線の車道と5mの歩道を持つこの道路は、旧御影町役場の東側に位置し、東灘区の交通を支える重要な役割を担っています。

ルートと周辺環境

御影本町3丁目交差点から始まり、北に向かって伸びる弓場線は、国道43号、鳴尾御影線、国道2号、JR東海道本線、山手幹線と次々と交差します。阪神本線は高架下を通り、その間には御影中学校も位置しています。現在、阪急神戸線御影駅北側の駅前広場まで開通しており、さらなる延伸計画も進行中です。

計画では、住吉山手2丁目にある深田池北東交差点まで約120mの区間の道路拡幅が検討されています。この交差点では、西側に繋がる御影山手線（未成道路）と接続する予定ですが、深田池北東交差点まで接続している道路の一部は既に存在します。

当初の都市計画道路案では、弓場線は岡本線という未成道路へと真っ直ぐに伸びる計画でしたが、岡本線計画は現状キャンセルの方向にあります。同様に、御影山手線の延長に繋がる東御影線北端延長も計画の見送りが検討されています。

歴史的背景

『御影村誌』には、「弓場町中ノ町境海岸ヨリ上通ニ至ル（町役場ノ東筋）」とある「荒神筋」という記述があり、これは弓場線の南側部分（旧兵庫県師範学校敷地の手前、阪神電車まで）に相当すると考えられています。

弓場線は戦時中に空襲時の避難路として計画され、昭和18年（1943年）頃には用地取得がほぼ完了しました。その後、戦災復興事業によって整備され、現在の道路となりました。

「弓場」という地名は、旧小字名であり、町制時代の区名「弓ノ場町」にも使われていた伝統的な名称です。現在も、この地域で行われる祭礼（だんじり祭り）において、地域区分として用いられています。弓場線は、歴史と現代が交差する、東灘区の重要な道路と言えるでしょう。

今後の展望

現在、延伸計画が検討されている区間では、周辺環境への影響や、より効率的な交通体系の構築を考慮した上で、慎重な計画が進められています。計画の具体化に伴い、周辺地域への更なる発展が期待されます。弓場線は、今後も東灘区の発展に貢献する重要な役割を担い続けるでしょう。

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