引込返

引込返（ひきこみがえし）

引込返は、柔道の投技で真捨身技5本の一つです。講道館や国際柔道連盟 (IJF) での正式名で、IJF略号はHKGです。

概要

基本形は、お互いに右組で組み、技を掛ける側（取）は右手で相手（受）の右腕を一本背負投のように抱え、受を前方に崩します。取は体を仰向けに倒れ込み（体を捨て）ながら、脛で受の太腿の内側を跳ね上げ、そのまま後方に回転させて投げます。神道六合流での別名は釣落（つりおとし）です。五教の技にあった釣落とは異なる技です。

変化

帯取返

帯取返（おびとりがえし）は、取が受の後帯を頭越しにつかみ、相手を下に押しつぶすように力を加え、仰向けに倒れ込み（体を捨て）ながら、脛で受の太腿の内側を跳ね上げ、そのまま後方に回転させて投げる引込返です。これは俗称であり、試合ではこちらのパターンの方がよく使われます。

元々、帯取返は立っている状態から寝技に引き込むための技の一つでしたが、投技としての条件が整っていると判断され、引込返に類する技とすることになりました。2010年の世界ジュニア81 kg級で2位になった北野裕一がこの技を多用しています。YouTube KODOKANチャンネルでの動画では、このタイプの引込返のみが紹介されています。

古流柔術では帯返（おびがえし）と呼ばれたり、俵返（たわらがえし）に包含されていたりしました。

1982年の「講道館柔道の投技の名称」制定に向けて、講道館では新名称の候補に挙がりましたが、引込返の一つの場合とすることになり、採用されませんでした。

国際柔道連盟、講道館での正式名「帯取返」は別の技で、これは「ハバレーリ」などのことを指します。真捨身技ではなく手技であり、講道館の分類では浮落と掬投に分類されていましたが、2017年4月、講道館技名称に「帯取返」が加えられました。

脚注

外部リンク

引込返 / Hikikomi-gaeshi - YouTube KODOKANチャンネル
引込返｜柔道チャンネル

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