弘文館

弘文館（ホンムングァン）

弘文館は、李氏朝鮮時代に存在した行政機関であり、同時に研究機関としての役割も担っていました。正二品衙門に相当し、「玉堂」という別名でも知られています。

王宮内の書庫に保管されていた図書の管理を主な任務とし、古典文学の研究に特化していました。王や官僚からの諮問に応じることも重要な職務の一つでした。官員は全て文官で構成され、全員が経筵の官職を兼任していました。特に、副提学から副修撰までの官員は、知制誥という役職も兼務していました。

歴史

弘文館の起源は、高麗時代の恭愍王5年（1356年）に設置された修文殿・集賢殿学士に遡ります。ただし、この時点では具体的な職務は割り当てられていませんでした。朝鮮時代の世宗2年（1420年）に、世宗王によって大幅な拡大と改編が行われ、弘文館としての体制が整いました。それまでは官庁としての実体も職務も曖昧でしたが、この時に初めて庁舎が与えられ、経典や歴史書の管理、そして王や官僚からの諮問への対応が正式な職務となりました。

しかし、世祖2年（1456年）に端宗復位計画が発覚したことを契機に、集賢殿が廃止されることになります。同年6月6日、集賢殿の廃止が決定され、所蔵されていた書籍は経筵の実施のために芸文館に移管されました。世祖6年（1460年）5月22日には、吏曹によって不要不急な官庁の廃止が決定され、集賢殿や寶文閣などが廃止の対象となりました。これにより、集賢殿は完全に廃止されることとなりました。世祖9年（1463年）には、集賢殿の機構を模倣する形で、進読庁・経筵院・弘文館などが新たに設置されました。

成宗9年（1478年）3月19日には、再び芸文館副提学以下の閣員を弘文館の官職に任命する措置が取られ、芸文館から分離・改編される形で弘文館が再編されました。

隆煕元年（1907年）に、弘文館は最終的に廃止されました。

構成

提学
副提学
応教
校理
博士
著作

関連項目

三司
司諫院
司憲府
集賢殿

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