弘治の内乱

弘治の内乱について

弘治の内乱（こうじのないらん）は、1555年から1560年頃まで能登国で繰り広げられた一連の武力衝突を指します。この内乱の背景には、能登畠山家の権力を巡る対立があり、特に温井総貞の排除を目指した畠山義綱の動きが中心的な要因とされます。義綱は温井総貞を暗殺することでその実権を握ることを目論みました。

内乱の発端は、弘治元年（1555年）に温井氏と深い関係を持つ三宅氏が総貞の暗殺に対抗して挙兵したことにさかのぼります。彼らは畠山一族の畠山晴俊を新たな指導者として擁立し、加賀の一向一揆を頼りに内乱を展開しました。この合戦の初期段階では、反乱軍は常に劣勢に立たされ、多くの主要人物が戦闘で命を落とす結果となりました。

1555年から1558年にかけての初期、反乱軍の指導者である畠山晴俊、温井続宗、神保総誠（またの名を綱誠）、三宅総広などが戦死。その影響により、三宅一族の三宅綱賢も義綱方に転じてしまい、反乱軍は大きな打撃を受けました。このため、反乱軍は一時的に加賀へと撤退することとなります。

その後、1558年の夏、残された温井の残党である温井綱貞らが再び能登に侵攻しました。しかし、9月には義綱軍の一部が寝返って温井側に加わるという裏切りが発生。結果として、綱貞や三宅俊景が戦死するに至り、反乱軍は再度撤退を余儀なくされました。

1559年から1560年の初めにかけて、反乱軍は最後の策動を試みます。1559年3月には一向一揆を指揮して再攻撃を仕掛けましたが、長続連による反撃に遭い、撃退されます。ついには押水まで後退することになり、状況はますます厳しくなりました。

最終的に、永禄3年（1560年）頃に温井残党は能登からほぼ一掃され、義綱方が勝利を収めました。この内乱は、能登地域の権力構造を大きく変える出来事となり、生き残った温井の一族や三宅氏の一部は降伏を余儀なくされたと考えられています。これにより、弘治の内乱は終息を迎え、地域の歴史に名を刻むこととなりました。

当時の出来事や背景については、記録が残されており、今なお多くの研究が重ねられています。弘治の内乱は、能登国における力のダイナミクスを理解する上で重要な出来事と位置付けられています。

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