弦楽四重奏曲 (グリーグ)

弦楽四重奏曲 ト短調 作品27

エドヴァルド・グリーグが1877年から1878年にかけて作曲した弦楽四重奏曲です。この作品は、グリーグが完成させた唯一の弦楽四重奏曲として知られています。初演は1878年10月6日、ケルンにてロベルト・ヘックマン率いる弦楽四重奏団によって行われました。この曲はヘックマンに献呈されています。

概要

グリーグはライプツィヒ音楽院時代にも弦楽四重奏曲を作曲しましたが、そのスケッチは現存していません。また、3番目の弦楽四重奏曲は1892年に着手されましたが、2楽章までしか完成せず、後にユリウス・レントゲンによって補筆完成されました。そのため、このト短調の弦楽四重奏曲が、グリーグが完成させた唯一の弦楽四重奏曲として、今日広く知られています。

編成

この曲は、以下の楽器で演奏されます。

第1ヴァイオリン
第2ヴァイオリン
ヴィオラ
チェロ

曲の構成

全楽章は切れ目なく演奏されるのが特徴です。各楽章はそれぞれ異なる性格を持ちながらも、全体として統一感のある構成となっています。

第1楽章 Un poco Andante - Allegro molto ed agitato
ト短調、2分の2拍子、ソナタ形式。
序奏主題は、1876年の歌曲「吟遊詩人の歌」作品25-1の最初の動機を基にしています。この主題は、第3楽章と第4楽章にも現れ、楽曲全体を繋ぐ役割を果たしています。

第2楽章 Romanze Andantino
変ロ長調、6/8拍子。
ロマンティックで美しい旋律が特徴的な楽章です。

第3楽章 Intermezzo Allegro molto marcato
ト短調、3/4拍子。
力強く、リズミカルな楽章です。

第4楽章 Lento - Presto al Saltarello
ト短調、2/2拍子 - 6/8拍子。
緩やかな部分と急速な部分が交互に現れる、変化に富んだ楽章です。

演奏時間

全楽章の演奏時間は、約32分です。

参考文献

最新名曲解説全集13 室内楽曲III（音楽之友社）

外部リンク

弦楽四重奏曲の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト)

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