張允聖

張允聖（チャン・ユンソン、Chan Yun-Sung、1963年12月9日 - ）は、韓国を代表する指揮者の一人です。ソウルで生まれ、幼少期から音楽に親しみました。ソウル芸術高等学校、ソウル大学校音楽大学作曲科で作曲を学び、その後、ソウル大学校大学院指揮科に進学し、指揮の修士課程を修了しました。

更なる研鑽を積むため、オーストリアのウィーン国立音楽大学指揮科とロシアのサンクトペテルブルク音楽院に留学。特にロシア留学中の1993年には、プロコフィエフ国際指揮者コンクールで第2位に入賞し、その才能を世界に知らしめました。この入賞を機に、マリインスキー劇場（キーロフ歌劇場）に指揮研究員として1年間在籍し、巨匠ヴァレリー・ゲルギエフに師事しました。

1995年には、ポーランドのクラクフで、ペンデレツキの交響曲第5番「朝鮮風（KOREA）」のヨーロッパ初演を指揮し、国際的な評価を高めました。1997年には、第11回東京国際音楽コンクール＜指揮＞で第2位入賞（1位なし）、同時に斉藤秀雄賞も受賞。その実力を日本でも認められました。帰国後、慶煕大学校音楽大学助教授に就任し、後進の指導にもあたりました。

1999年から2000年まではソウル市青少年交響楽団（現・ソウル市ユースオーケストラ）の団長兼音楽監督を務め、若手育成に尽力。その後、2000年から2003年までは蔚山市立交響楽団、2003年から2007年までは昌原市立交響楽団の常任指揮者を歴任し、各オーケストラの発展に貢献しました。

2004年には、ソウルと統営でシェーンベルク作曲『グレの歌』の韓国初演を指揮。現代音楽の分野でもその手腕を発揮しました。2008年4月には、大阪音楽大学ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団の首席指揮者に就任し、日本での活動も活発化させています。

張允聖は、韓国国内外の主要オーケストラと数多く共演しています。韓国国内では、ソウル市立交響楽団、KBS交響楽団、コリア・シンフォニー・オーケストラなどに客演。また、韓国ユニバーサル・バレエ団との海外巡回公演も成功させています。海外では、サンクトペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン交響楽団、プラハ交響楽団、クラコフ放送交響楽団など、名だたるオーケストラと共演し、その音楽性を高く評価されています。

日本との関係も深く、これまでに東京交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団などにも客演しています。2002年には、東京で開催された「第18回5000人の第九」で外国人指揮者として初めてタクトを執り、聴衆を魅了しました。2005年には、「日韓友情年2005」関連事業として、オペラ『沈清（シムチョン）』の公演を指揮。2007年には、「アジア・オーケストラ・ウィーク2007」にKBS交響楽団を率いて参加するなど、日本と韓国の文化交流にも貢献しています。

その卓越した音楽性と、国際的な活動は、世界中の音楽ファンを魅了し続けています。また、教育者としても、後進の育成に力を注いでおり、今後の活躍も大いに期待されています。

また、低価格CDに収録された演奏を指揮した人物の一人としても知られており、クラシック音楽ファンにより突き止められました。

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