張奮 (孫呉)

張奮（ちょう ふん）は、生没年不詳ながら、中国三国時代の呉において活躍した人物として知られています。彼は呉の重臣であった張昭の甥にあたり、その血筋からも期待された存在でした。本貫は徐州彭城国にあります。

張奮が歴史に名を残すきっかけとなったのは、彼が20歳の時に開発した攻城兵器「大攻車」でした。これは、当時の攻城戦において革新的な兵器であり、彼の類まれなる才能を示すものでした。この功績が認められ、歩騭（ほしつ）の推挙を受けることとなります。

しかし、張奮が軍に入り将軍となることに対して、叔父である張昭は反対しました。張昭は彼の若さを懸念し、軍務の重責を担うにはまだ早いと考えていたようです。それに対し、張奮は「昔、童汪（童子だった汪踦）は国難に死し、子奇は（若くして）阿の地を治めました。私は確かに不才の身ですが、年齢に不足はありません」と反論しました。この言葉は、彼の決意と自信を示すものであり、周囲を納得させる力を持っていたのでしょう。

張奮は、反対を押し切って兵を預かる将軍となり、その後も数々の功績を挙げました。彼はその軍事的な才能を遺憾なく発揮し、呉のために貢献しました。その功績が認められ、最終的には半州都督・楽郷亭侯という高い地位にまで昇りつめました。半州都督は、地域の軍事と行政を統括する重要な役職であり、彼の能力の高さを示しています。楽郷亭侯は、その功績に対する褒賞として与えられた爵位であり、彼の名誉を称えるものでした。

張奮の活躍は、『三国志』呉書張昭伝に付随する形で記録されており、彼の才能と功績が後世に伝えられています。彼の生涯は、若くして才能を開花させ、逆境を乗り越え、自らの力で道を切り開いた人物として、私たちに勇気を与えてくれます。

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