張昭

張昭について

張 昭（ちょう しょう）は、中国後漢末期から三国時代の呉にかけての政治家であり武将です。字は子布で、死後に文侯という諡が贈られました。彼は徐州彭城国の出身で、妻は孫氏であり、子供には張承や張休がいます。

若き日々

若い頃の張昭は学問に励み、隷書を得意としていました。特に智謀に秀でており、白侯子安から『左氏春秋』を学ぶなどして幅広い知識を培いました。彼は王朗・趙昱と親しい関係を築き、共に高い名声を得ました。40歳にして孝廉に推挙されましたが、官職に就くことはありませんでした。その後、徐州刺史の陶謙から官途への推挙を受けましたが、これを辞退したために投獄されることになりました。しかし、趙昱の弁護により助け出され、その後陶謙の死後には弔辞を送ることによってその功績を称えました。

孫策との関わり

中央の混乱が続く中、張昭は孫策の元に仕官しました。孫策が揚州で挙兵すると、彼は張昭を参謀に任命し、彼に対して厚い信任を寄せました。張昭は北方の士大夫から手紙を受け取ることがあり、それには彼の手柄が称賛されていましたが、彼はその扱いを迷ったこともありました。孫策は張昭に全てを委ね、彼の意見を重視しました。

建安5年、孫策の臨終に際し、彼は張昭に弟の孫権を補佐させるように指示しました。孫策の死後、張昭は孫権を支えることで呉の政治を安定させました。彼は政治的な判断を下し、孫権にも強い影響を与える存在でした。特に、彼は内政を担当しつつ、時には独自に軍を率いて反乱の鎮圧にも赴くことがありました。

孫権の補佐と呉の形成

孫権が即位すると、張昭はその信任を受けて長史として政権運営に関与しました。彼は外交や政策の形成に力を尽くし、時には危機的な状況下でも毅然とした態度を示しました。その智謀は多くの戦いにおいて役立ちましたが、赤壁の戦いにおいて降伏を進言したことは、彼自身に加え、孫権にとっても大きな問題となりました。結局、周瑜の指導の下、曹操軍を撃退することに成功します。

赤壁の戦いの後、彼は孫権の合肥攻撃に連動して功績を上げ、軍事的なリーダーとしても活動しました。しかし、次第に彼の権限は限定され、政務においても孫権の傍らで多くの策謀を巡らせる役割に変わっていきました。

晩年と死

晩年の張昭は病がちになり、政治活動から遠ざかることもありましたが、彼の意見は重視され続けました。彼は高齢になってからも主君に対して忌憚のない意見を述べ、時にはその姿勢が原因で面会を禁じられる場面もありました。その後、彼は再び政治に関与し、孫権との出会いを通じて彼の信任を強く受け、名声を不動のものとしました。

嘉禾5年、張昭は81歳で亡くなりました。葬儀には孫権も参列し、彼の長い功績が称えられました。その後、彼は文侯と称され、業績は後世へと伝わっています。特に張昭は、忠誠心と正義感を持った者として評価され、その名は長らく語り継がれることでしょう。

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