張学銘

張 学銘の生涯

張 学銘（ちょう がくめい、Zhāng Xuémíng, 1908年 - 1983年）は、中華民国及び中華人民共和国において軍人及び政治家として知られる人物である。彼の字は西卿であり、張作霖の次男として生まれ、弟の張学良や兄の張学思と共に名を馳せた。特に、国民政府時代に天津市長を務め、その後南京国民政府に参加した経歴を持っている。

教育と初期のキャリア

張学銘は東北陸軍講武堂を卒業した後、1928年に日本に留学し、陸軍歩兵学校で訓練を受けた。1929年に帰国すると、兄の張学良が指揮する東北軍に加わり、軍の一員としてのキャリアをスタートさせる。1930年には天津市公安局局長に就任し、翌年には市長に昇進。市長時代、彼は複数の役職を兼任しながら天津の治安を維持する責任を担っていた。しかし、同年11月に起きた天津事件によって、彼の市長としての任期は厳しい試練を迎える。この事件は日本と中国の間の衝突を引き起こし、張学銘はその収拾に失敗したため、病気を理由に辞職するに至った。

政治の変遷

天津を離れた後、張学銘は香港へ移住し、1941年に香港が陥落した際、戦火によって困窮する状況に直面した。その後、日本軍に救助され、汪兆銘への協力を申し出た。1943年には汪政権内の軍事委員会の委員に任命され、政権が崩壊するまでその職を続けた。

戦後は漢奸として非難されることなく1946年に再び重要な職務につく。東北保安司令部の中将主任や、国民政府の参議室での役職を歴任するが、1949年の北京が無血開城された際には再び閑居生活に入った。

中華人民共和国時代

中華人民共和国が成立した後、張学銘は北京にある華北人民革命大学で学び、その後天津市建設局において副所長として働くこととなる。1959年には中国人民政治協商会議の全国委員会に選出されているが、1966年から始まる文化大革命においては、批判の矢面に立たされ、最終的に逮捕されてしまった。

1973年には無罪判決を受けて釈放され、1976年には復権を果たし、再び天津市建設局の副局長に任命される。その後も、政協の常務委員や民革中央委員会のメンバーとして精力的に活動した。

最後の年

張学銘は1983年3月9日に北京市で死去した。享年76歳という長い生涯を送り、彼の生涯と業績は中華民国および中華人民共和国の歴史に深い影響を与えた。彼のキャリアは、激動の時代における政治と軍事の複雑な相互作用を映し出す一つの例と言えるだろう。

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