張有谷

張有谷（ちょう ゆうこく）

張有谷（ヂァン・ヨウグゥ、张有谷）は、中華民国空軍の軍人です。1925年に雲南航空学校を卒業後、飛行教官として同校に勤務し、その後、国民革命軍の北伐に参加しました。彼の軍歴は、中国の航空史における重要な出来事と深く結びついています。

初期のキャリア

1929年、南京航空司令部の創設時に航空第1隊の飛行員として活動。その後、水上飛機隊の隊長に就任し、航空第2隊の飛機師も務めました。同年には、中央軍官学校航空班（後の空軍軍官学校）で教官として後進の指導にもあたりました。1930年には、航空第1隊の隊長として中原大戦に参加、戦後は武漢に駐留しました。

航空隊の再編と作戦参加

1932年、航空隊が4個隊に縮小された際には、航空第3隊の隊長に就任。その後、航空隊が8個隊に増強されると、偵察兼爆撃隊である第3隊を率いました。この時期には、江西省での剿共作戦や川辺特別地区での対紅軍戦闘を支援するなど、実戦経験も積んでいます。1935年には空軍中校に昇進。

日中戦争での活躍

1936年、西安で編成された空軍第6大隊の大隊長に就任。第6大隊は偵察機大隊で、ダグラス製の航空機を使用していました。1937年には航空委員会第一庁の参謀処長となり、空軍上校に昇進しました。日中戦争勃発後は、成都に新設された空軍軍士学校の教育長として、学校運営を担いました。

軍法会議と復帰

1938年、航空委員会が再編されると、軍令庁の副庁長に就任。その後、空軍軍官学校の教育長に異動しましたが、1939年、日本軍の空爆により練習機が破壊された責任を問われ、軍法会議にかけられました。1941年、軍務に復帰し、空軍第3路司令として、河南省、湖北省、陝西省、甘粛省、四川省の一部地域を統括しました。しかし、1941年5月には、日本軍の奇襲により第5大隊が壊滅し、再度逮捕されることとなりました。度重なる逮捕と釈放の後、空軍を去ることになりました。

その後の活動

国共内戦中の1948年に軍務に復帰し、雲南省の行政督察専員兼区保安司令に就任。その後、空軍とは別の役職に就いたため、空軍の業務から離れました。1949年には昆明起義に参加し、中国人民解放軍に加わりました。退役後は、陝西省林業庁の副庁長を務め、1989年に西安で病死しました。

受章歴

五等宝鼎勲章（1931年）
四等宝鼎章（1936年）
五等雲麾勲章（1936年）

参考文献

文闻 編 (2006). 旧中国空军秘档. 中国文史出版社
马毓福編著 (1994). 1908-1949中国军事航空. 航空工业出版社
盧克彰編著 (1974). 空軍建軍史話. 空軍總部政治作戰部
* 朱力揚『１９４５請記得他們：中國空軍抗戰記憶』黎明文化事業公司、2015年。ISBN 978-957-16-0862-4。

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