張田昂

地方競馬騎手 張田昂：遅咲きの才能が開花した軌跡

張田昂騎手は、1987年11月1日生まれの地方競馬騎手です。千葉県騎手会に所属し、船橋競馬場を拠点に活躍しています。彼の父は、元騎手で現在は調教師として船橋競馬場で活躍する張田京氏です。

張田昂騎手のキャリアは、決して順風満帆ではありませんでした。中学卒業後の2003年、日本中央競馬会（JRA）競馬学校騎手課程に入学しますが、卒業を目前に退学という決断をします。その後、ケイアイファームで1年間研鑽を積み、船橋競馬場で厩務員として働きながら、地方競馬騎手への道を歩み始めます。筆記試験で何度も不合格を経験するも、諦めずに挑戦を続け、2013年に晴れて合格を掴み取りました。

矢野義幸厩舎の厩務員を経て、同厩舎所属騎手として2013年6月17日に船橋競馬場でデビュー。25歳という遅咲きのデビューでしたが、その才能はすぐに開花します。デビューから約2週間後の7月2日、川崎競馬場にて初勝利を挙げます。そして、2014年には南関東4競馬最優秀新人騎手賞を受賞し、その実力を証明しました。

2015年には、大きな転機が訪れます。7月20日、父・張田京氏が管理するテラザホットに騎乗し勝利。これは父が調教師として初出走・初勝利を飾る瞬間でもあり、親子二代にわたる感動的な出来事となりました。同年11月17日には通算100勝を達成し、さらなる飛躍への足がかりを築きます。その後も着実に勝利を重ね、2017年には通算200勝、2019年には通算300勝の大台を突破しました。

2018年7月9日、矢野義幸厩舎から千葉県騎手会所属へ移籍。そして2019年6月17日、念願の重賞初制覇を京成盃グランドマイラーズでカジノフォンテンに騎乗して成し遂げます。2020年には通算400勝、2021年には通算500勝を達成し、地方競馬界のトップジョッキーとしての地位を確立しました。

2021年は、張田昂騎手にとって忘れられない年となりました。1月27日、川崎記念（JpnI）でカジノフォンテンに騎乗し、ダートグレード競走、そして交流GI初制覇を達成します。これは、2000年に父・張田京氏がインテリパワーで優勝したのと同じレースであり、親子二代での川崎記念制覇という快挙となりました。さらに同年4月21日には、父の管理馬ジョエルでクラウンカップを制し、父・張田京厩舎の重賞初勝利にも貢献しました。同年6月28日には通算500勝を達成。その後も重賞レースを勝利し続け、2022年6月16日には通算600勝を達成するなど、現在も第一線で活躍を続けています。

張田昂騎手は、競馬だけでなく、絵画にも才能を持つ多才な人物です。小学校6年生から油絵を習っており、自身のサインには馬のイラストを描いているそうです。また、主な騎乗馬であるカジノフォンテンの記念グッズのデザインなども手掛けるなど、その才能は多岐に渡ります。

数々の栄光を掴んできた張田昂騎手ですが、その道のりは決して平坦なものではありませんでした。JRA騎手学校を退学した経験や、地方競馬騎手試験での何度も挑戦を繰り返した経験は、彼を強く、そして謙虚に育てたと言えるでしょう。これからも、その卓越した騎乗技術と、父譲りの強い意志で、地方競馬界をさらに盛り上げていくことでしょう。彼の今後の活躍に期待がかかります。

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