張維璽

張維璽（ちょう いじ）について

張維璽は中華民国における著名な軍人で、馮玉祥率いる北京政府と国民軍に関与した人物です。彼は「十三太保」と呼ばれた軍人の一人として名があります。最終的には汪兆銘が率いた南京国民政府に加わることもあったとのことですが、彼の経歴には異なる解釈も存在します。彼の字は楚玉です。

早年の日々

張維璽は東三省武備学堂で軍事教育を受け、1911年に発生した灤州起義では排長として活動しました。この時、彼の上司である馮玉祥の指揮下で重要な役割を果たしました。中華民国の成立後も、馮玉祥が指揮する第16混成旅及び第11師で目覚ましい昇進を遂げました。1924年には旅長に昇格し、彼の軍事キャリアは順調に進展を続けました。

軍歴の発展

1926年7月、張維璽は西北軍第13師の師長に任命され、同年の12月には第13軍の軍長となります。そして、翌1927年には第13路の総司令、さらに1928年には第6方面軍の総指揮として活躍しました。これまでの成功を踏まえ、張維璽は1930年の中原大戦では、馮玉祥の指揮のもと、第7路軍の総指揮を務め、第8軍の軍長と南路の総司令を併任しました。しかし、この戦闘では敗北を喫し、彼は陸軍大学の特別班での学習を通じて自身を立て直そうと努めたものの、その後の軍歴は不遇なものでした。

南京国民政府への参与

1943年には、彼は国民軍の友人である孫良誠と共に南京国民政府、すなわち汪兆銘政権に降伏しました。その後、張維璽は開封綏靖公署の副主任や第2方面軍の副総司令として孫良誠を補佐しましたが、彼は自身の立場に疑念を持ち、友人からの叱責を受けて約3ヶ月で辞任を余儀なくされました。興味深いことに、彼には父や妻が日本側に拘束されていたため、脅迫を受けた結果、職位に就くことを拒否したという説も存在します。

最期とその背景

1944年、張維璽は56歳で亡くなりました。彼の死因については多くの諸説があり、汪兆銘政権に降伏したとされる場合は天津で病死したとされ、一方で降伏を拒否した場合は江蘇省泰州で病死したとも言われています。また、後者には日本当局による毒殺の可能性も指摘されています。

結論

張維璽の軍人としての人生は、激動の中華民国の歴史的背景を色濃く反映したものでした。その波乱の軍歴と最期に至るまでの数々の出来事は、彼の複雑な人物像を形成しています。彼に関心を持つ人々にとって、その人生は歴史の深い一面を垣間見せるものとなるでしょう。

参考文献

• - 徐友春主編『民国人物大辞典 増訂版』河北人民出版社、2007年
• - 劉寿林ほか編『民国職官年表』中華書局、1995年
• - 李恵蘭・薛鳳「張維璽熱心事前」『今晩報』2014年3月1日、13頁

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