張闓 (後漢)

張 闓（ちょう がい）: 後漢末期の武将

張闓は後漢末期の武将であり、その生没年は不明です。彼は陶謙に仕官し、歴史的な背景の中で重要な役割を担っていました。『三国志』の注釈に登場する「呉書」によると、張闓は都尉の地位にありました。その時代、徐州の戦乱が激化していたことから、曹操の部下である曹嵩が危険を感じ、逃げることを決意しました。この際、張闓は曹嵩の護衛役として陶謙から派遣されました。

しかし、事情は予想外の方向に進みました。193年、張闓は泰山近辺の費・葉両県の境で曹嵩を背後から襲撃し、命を奪ったとされています。この事件は歴史資料において様々な解釈がされており、詳細な経緯は不明です。張闓が曹嵩を殺害した理由やその動機については、意見が分かれるところですが、所説あり、真相の確認は難しい状況です。

その後、張闓は曹嵩から奪った財物を持って淮南へと逃走しました。彼の行動は、後の曹操の陶謙に対する攻撃や徐州での大規模虐殺につながる要因の一つであったともされています。このように、張闓はその時代の権力闘争に一役買った存在と認識されています。

また、別の資料『後漢書』の注釈によると、197年に袁術が陳国へ侵攻した際、張闓の名が上がります。この時、張闓は陳王劉寵の側近である駱俊に使者として派遣されており、袁術が陳国へ攻撃を仕掛ける直接のきっかけとして彼の登場が記されています。この事実は、張闓が単なる武将に留まらず、政治的な動きにも関わっていたことを示しています。

小説『三国志演義』においては、張闓のエピソードは特に強調されています。この物語では、「呉書」の記録に基づき、張闓が曹嵩やその家族を皆殺しにしたという直接的な描写がなされています。その結果として、曹操が陶謙を攻撃し、徐州において一大惨劇が発生したとされています。また、張闓は元黄巾賊の残党として描かれることもあり、彼のイメージはより悪党としての色合いが濃くなっています。

このように、張闓に関する資料や小説は多岐にわたり、彼の行動やその影響については多くの議論があることがわかります。彼の存在は、後漢末期の混乱の中で波乱に満ちた歴史の一端を担ったと言えるでしょう。

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