強首

強首（こわくび）

秋田県大仙市に属する強首は、北西部に位置し、旧・西仙北町域にあたります。郵便番号は019-2335で、2015年時点で257世帯、940人が暮らしています。この地域は、雄物川の蛇行した流れの内側にあり、堤防の西端部に位置しています。

地理の特徴

強首地区は、かつて舟運が盛んだったことから、雄物川の近くに集落が形成されていますが、十分な堤防が整備されていないため、洪水の危険にさらされることが度々ありました。1980年と1987年には特にひどい洪水によって多大な被害を受けました。このような状況を受けて、雄物川の堤防整備が必要とされ、強首地区の安全を確保するための対策が検討されました。

特に15キロメートルにも及ぶ堤防整備は大掛かりなプロジェクトであり、効率的に洪水対策を行うためには、集落を囲む輪中堤の設置が有効と考えられました。このため、堤防整備によって移転を余儀なくされる68世帯のための代替地整備も行われることとなりました。

1993年から始まった強首輪中堤事業では、治水事業と地域の町づくりの両立を目指し、2002年には輪中堤が完成しました。このプロジェクトの中には、強首橋の架け替えなども含まれていました。これにより、2007年の秋雨前線や台風による大雨での浸水被害を免れることができました。

歴史的背景

強首は、出羽国山本郡に位置し、1664年からは仙北郡に属しています。この地域は秋田藩の管轄で、1603年の時点では394石余の村高があったと推定されています。

1889年4月1日に町村制が施行されると、強首村が発足し、その範囲が現在の「強首」となりました。1955年には西仙北町が発足し、強首村は廃止され、その後2005年の大仙市成立に伴い、大仙市の大字として今に至ります。

交通と施設

強首には、強首陸軍演習場の跡地を利用した温泉が湧き出ており、現在は「強首温泉郷」として知られています。また、旧双葉小学校の校舎を活用した大仙市アーカイブズがあり、地域の歴史や情報の保存・発信に寄与しています。

このように、強首は豊かな自然環境と歴史的背景を持ち、近年では治水対策が進むなど、地域の発展に向けた取り組みが続けられています。

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