弾帯

弾帯（だんたい）とは

弾帯は、以下の意味で用いられる用語です。

機関銃の銃弾を連結した帯（Ammunition belt）
銃弾を収納して身に着ける帯（Bandolierなど）
銃弾や砲弾に自旋運動を行わせるために、弾丸に装着した帯（Driving band）
イタヤガイ科（ホタテ貝など）の貝の蝶番部にある靭帯を指す場合も（弾帯 (貝)）

本稿では、これらのうち、特に軍事用語として用いられることの多い「機関銃の銃弾を連結した帯」と「銃弾を収納して身に着ける帯」、および砲弾の弾帯について詳しく解説します。

弾帯（Ammunition belt）

機関銃の弾薬を連結する帯状の部品です。横一列に並べられた銃弾を布や金属製のベルトでつなぎ合わせたもので、大量の銃弾を効率的に供給するために用いられます。弾倉式に比べて装弾数を大幅に増やせる反面、一列に長く伸びるため携帯性には劣る傾向があります。そのため、重機関銃や汎用機関銃など、あまり移動を伴わない銃器で多用されます。

弾帯は、通常、弾薬箱やドラムマガジンに収納され、銃本体に接続して使用されます。これにより、弾帯が地面に触れて汚れたり、何かに引っかかったりするのを防ぎ、給弾不良のリスクを減らすことができます。

弾帯の種類

弾帯には、材質や構造の違いによっていくつかの種類があります。

布製弾帯（Fabric belt）：
初期の機関銃で多用された形式で、2枚の布の間に銃弾を挟み込んだ構造です。軽量で柔軟性がある一方、耐久性や耐候性に劣ります。
使用済みの布が垂れ下がり、邪魔になるという欠点もあり、航空機用では巻き取り装置が必要でした。
金属製非分離式弾帯（Metallic belt）:
金属製のリンクがワイヤーなどで連結された構造で、弾丸を抜き取っても分離しないため、再利用が容易です。
しかし、使用済みの弾帯が垂れ下がり、携行性を損なうという欠点があります。
現代では、一定の弾数ごとに分離するものが主流で、任意に連結して使用できます。
中国では、このタイプを「半分離式ベルトリンク」と呼ぶことがあります。
金属製分離式弾帯（Metallic link belt）：
弾丸を抜き取るとリンクが分離する構造で、使用済みの弾帯が垂れ下がらないため、携行性に優れています。
しかし、リンクの再利用は困難であり、散らばったリンクが他の機器の不具合の原因となることもあります。
弾丸とリンクの連結は、通常、工場や兵站拠点で行われます。
大口径の機関砲弾では、リンク自体が荷重を支える構造のものもあります。
保弾板（Feed strip）：
金属製非分離式弾帯の前身で、20～30発程度の弾薬を装填できる大型のクリップのようなものです。
連結できるものもありましたが、重さに耐えきれず、柔軟性を持たせた非分離式弾帯に発展しました。
日本では第二次世界大戦時まで、重機関銃を中心に使われました。


第二次世界大戦中には、各国で異なる種類の弾帯が使用されましたが、戦後の機関銃では、アメリカを中心とする西側諸国では金属製分離式弾帯、ソ連・ロシアを中心とする東側諸国では金属製非分離式弾帯が主流となっています。

弾帯（Bandolierなど）

銃弾を収納して身に着ける帯の総称で、弾薬を携行するために用いられます。また、個人装備を固定するベルトも弾帯と呼ばれることがあります。

Bandolier：単独で使用するほか、予備の弾薬を携行するために用いられます。
* ピストルベルト：弾嚢や水筒、円匙などの個人装備を固定するために使用されます。

弾帯（Driving band）

砲弾の側面にある帯状の部分で、銅などの柔らかい金属でできています。砲身内面のライフリングに食い込み、砲弾に回転を与えることで、飛翔中の姿勢を安定させ、命中精度を向上させる役割があります。

弾帯は、砲身と砲弾の隙間を塞いで発射ガスが漏れるのを防ぐ機能や、砲身の磨耗を減らす機能も果たしています。ただし、完全に密着するわけではなく、多少のガス漏れは許容されています。滑腔砲では、サボと呼ばれる装弾筒が弾帯の役割を果たすこともあります。

弾帯は、おおむね砲弾の後半部または後端部に付いています。

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