彌生書房

彌生書房について

彌生書房（やよいしょぼう）は、東京都新宿区中町に位置する日本の出版社で、文学作品や詩集、また仏教関連の書籍を多く発行しています。特に詩集や随想に重点を置いている点が特徴的です。

創業と経歴

彌生書房は1956年3月1日に津曲篤子（つまがり あつこ）によって設立されました。最初は文京区本郷弥生町に拠点を置いていましたが、その後の展開により新宿区に移転しました。創業年に関しては、異なる情報源によって1951年との記載もありましたが、公式な資料によって1956年として認識されています。

2008年5月30日に営業を休止しますが、その後も一部の書籍はAmazonマーケットプレイスで販売されています。公式サイトはリンク切れ状態で、最新の情報は入手困難ですが、2017年に電子書籍のリリース予定が発表されていたことが確認されています。

主な出版物

彌生書房は、多数の著名な作家や詩人の作品を出版してきました。最も初期の作品には、A･ハックスレー編、伊藤整・永松定訳による『D.H.ロレンスの手紙』があり、1956年にリリースされました。この書籍は彌生書房の初の出版物となりました。

その後、八木重吉の『定本 八木重吉詩集』や、吉野秀雄の『吉野秀雄歌集』が1958年に出版され、吉野秀雄の作品は1959年に読売文学賞を受賞しました。さらに、1959年には吉田健一・平井正穂監修による『エリオット選集』全4巻、富士川英郎責任編集の『リルケ全集』全7巻も発行され、これらの作品は文学界において高く評価されています。

1981年から1983年にかけては、現代随想シリーズ全30巻の出版も行われました。このように、彌生書房はただの出版社ではなく、作家や詩人の声を大切にし、文学をより広く深く伝える役割を務めてきました。

特に、文化人や思想家の作品が数多く取り上げられたことは、彌生書房の出版がいかに多様であったかを物語っています。さらには、曽我量深の選集や講義集など、宗教的なテーマや哲学的な内容の作品も多く手掛けており、特に仏教に関する書籍は重要な柱と言えるでしょう。

まとめ

彌生書房は、1956年の創業から今日に至るまで、日本の文学界に貢献し続けてきた出版社です。多様なジャンルの書籍の出版を通じて、読者に新たな視点や思索の材料を提供してきたことは、今後もその特色として期待されます。出版社としての使命を果たしつつ、今後の展開も見守られることでしょう。

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